2018年11月12日

toujyouka016.jpg 夫婦別姓訴訟・慌てふためく国側

夫婦別姓訴訟の公判が続いていますが、
被告の国が法廷での弁論でうまく答えれらなくて、
慌てふためいたというお話があります。

「選択的夫婦別姓に向けて、風穴が開くのが見えた!?」

「想田監督「夫婦の20年を国が否定するのは脅威」、夫婦別姓訴訟で「法律に不備」と意見陳述」

この訴訟は想田和弘氏の起こしたもので、
外国で婚姻届けを出して夫婦として認められているのに、
日本国内で認めらないのはおかしいとして訴えたものです。

 
どのくらい慌てていたかというと、
カメラで撮影したいくらいだったそうです。

国側はこれに争う姿勢を示し、婚姻の確認を求める
訴え自体が不適法であるとして、棄却を求めている。
しかし、この日の口頭弁論では、裁判長から国側に争う点を
明らかにするよう、求められる一場面もあった。

口頭弁論後、想田さんは取材に対し、
「国側がすごく慌てているところが印象に残り、
ドキュメンタリー作家として、カメラを回したかったです。
実際は法律が矛盾しているけど、国側は法律にのっとって
展開しなければいけないというところがああいうところに現れる。
今後、あらゆる詭弁を用いて整合性を持たせようとしてくるのでしょうが、
それがビジュアルで見えました」と話した。


より具体的にはつぎのようです。
被告の国は、原告ではなく裁判長から詰め寄られて、
まともに答えられない状況でした。

被告である国が、原告ではなく裁判長に詰め寄られ、
しどろもどろになったのだ。

「原告らの婚姻が、民法750条の要件を満たさないというが、
要件とは形式的要件のことですか、実質的要件のことですか?」
「ええっと、じ、実質的要件です。た、ただ、この点については
我々の中でも意見がわかれており、改めて文書にて回答したいと思います」
「では、ご本人を前にしてこういうことをいうのは何ですが、
たとえば原告の身に万が一のことがあった場合、
相続はできないとお考えですか?」
「そ、そう考えています……」

このとき、裁判長は「何を言ってるんだ、君は。本気か?」と
いわんばかりの表情を浮かべていたように、私には見えた。
裁判長は常にポーカーフェイスでいるものだと
思い込んでいた私には、その光景自体が新鮮だった。さらに続ける。

「民法750条は婚姻の効力を示しているが、要件は示していないわけで、
民法750条によって被告の婚姻が認められないというのであれば、
それがなぜなのか、きちんと説明してもらわなければ」
「は、はい……。そこにつきましては、二段階の説明が
いいのかどうなのか、我々の間でも意見が分かれている
ところでしたので、改めて文書にて考えを示したいと思います」

国の答えは、要領を得なかった。
裁判長も、もはや苦笑いを浮かべているように見えた。


国としては、あきらかに法律に矛盾があるのに、
法律どうりで矛盾はないし整合性は取れていることに
しなければならないので、まともに答えられなくなるのでしょう。

裁判長から争う点はなにかを明らかにするよう、
国側は言われたというのもかなりのものです。
なにを議論するのか、肝心の前提さえもおぼつかないようです。

現行の夫婦同姓の強制は、すでに矛盾のある
規定であることが、あらためて確認できたと思います。
想田和弘氏が予想しているように、これからも国側は
あらゆる詭弁を持ち出して、正当化を図るのでしょう。


裁判を傍聴したかたは「風穴が開くのが見えた」と言っています。
これはどうだろうとわたしは思います。

閉廷後、原告側弁護団も興奮気味。裁判長にツッコまれ、
国があれだけあたふたすることは非常に珍しいそうだ。
私には、明らかに風穴が開くのが見えたような気がしたのだが。

2011年の夫婦別姓訴訟でも、法廷での論争は
原告が優勢でしたが、結果は原告の主張が棄却されるという
全面的に被告の国に有利なものだったのでした。

この訴訟も、国側はかなりの劣勢のようです。
これからも法廷で国側はお粗末な答弁をすると思います。
(想田和弘氏の提訴したものだけでなく、ほか3つの訴訟でも。)
それでも最終的には、被告の国に有利な判決が
出るのではないか、という気がしています。
この問題については、わたしはどうしても楽観できないです。

国側はいましばらくは、法廷でお粗末なところを、
せいぜいさらし続けるのがいいと思います。
将来、夫婦別姓訴訟を起こすかたが出てきても、
「もうこの件で裁判をしたくない」と
国側が思いたくなるくらいになってほしいものです。

posted by たんぽぽ at 22:26 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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