2018年11月17日

toujyouka016.jpg ネトウヨ問題・にせ科学批判の責任

11月5日エントリの続き。

にせ科学批判の右傾化問題、にせ科学批判がネトウヨと
結び付けられて考えられるようになった問題です。

「ニセ科学批判とネトウヨが結び付けられるようになったことについて」
(はてなブックマーク)

今回は最後に述べられている、そしておそらくもっとも
重要な指摘を見たいと思います。

 
ここ10年くらいのインターネットの歴史は、
ノンポリが政治的な層、特にウヨに振り回される歴史だった。

1970年ごろの学生運動家だって、
多くは本質的にはノンポリだったという話はよく聞く。
でも、左翼運動の迷走についての責任を問われないか
といえば、そんなことはないだろう。

俺が思うのは要するにそういうことだ。
ニセ科学批判=ネトウヨというくくりは、なるほど雑だ。
だけど、それを一笑に付せる無邪気さは、ちょっと俺には持てない。


ここで言いたいことは「あなたたちにせ科学批判者個人は、
たしかに党派性はないかもしれないです。
それでもネトウヨに社会的影響力を持たせたことに、
責任はありますよ」ということだと思います。

にせ科学批判者ご自身はネトウヨでないという意味で
「にせ科学批判=ネトウヨ」というくくりは雑でしょう。
それでも彼らにせ科学批判の人たちは、
ネトウヨに一定の影響力を与える程度に関係しているので、
「一笑に付せる無邪気さ」を持てないのだと思います。


ここで連想するのは、11月10日と11月11日エントリで
ご紹介の『新潮45』の休刊について考察した記事です。
にせ科学批判の現状にも当てはまることではないかと思います。

「ネトウヨを野放しにするな」
「ネトウヨを野放しにするな(2)」
「『新潮45』廃刊の真相と小川榮太郎氏の正体とは(後編)」

社会が甘く見たり、面白がったりしているうちに、
オウム真理教は拡大していった。

変に物分かりがよくなってしまった人たちが、
オウムの施設を追い出そうとする地元住民に対して、
宗教弾圧だとか、オウムにも権利があると言い出した。
小川が嫌う「人権思想」が、社会のダニを排除できない
状況を生み出している部分もある。

しかし、出版業界は今回の『新潮45』の廃刊で気付いたのではないか?
便所の落書きを放置しておくと、自分たちのクビを絞める結果になると。

小川及びその周辺にいるいかがわしい連中に対し、
出版業界は毅然とした対応をとるべきだ。
今、日本にとって一番大切なことは、小川を逃げ切らせないことである。
そして、あの手の連中の所業をすべて暴き出すことだ。


にせ科学批判の人たちがネトウヨに接近するのは、
「たまたまこの問題に関しては、自分たちと
主張が近かったから」だろうと思います。
とくにネットでは人数的にも多いネトウヨたちと
結びつくことで、自分たちのにせ科学批判の主張が
拡散されることも、好都合だったと思います。

そうやってにせ科学批判の人たちが、ネトウヨとのかかわりを
持ち続けるうちに、ネトウヨに発言力や社会的影響力を
持たせることになるということです。


「にせ科学批判に党派性はない」という
彼らが大好きな「お題目」は、にせ科学批判の人たちが
ネトウヨと関わることの正当化にも役立ったと思います。

ようは「にせ科学批判は党派性と関係ないから、
相手がどんな政治的立場でも、主張が近ければ協力する。
今回はたまたまネトウヨだっただけ」ということです。
一見実証的で、属人的判断と無縁であると
主張できるところが、巧妙だと思います。

「にせ科学批判に党派性はない」という「お題目」を
持ち出す人たちが、ここでは「変に物分かりがよくなって
しまった人たち」に相当することになるのでしょう。


にせ科学批判の人たちは、自分たちがネトウヨを
利用しているつもりなのかもしれないです。
実際には、ネトウヨがにせ科学批判や、
その関係者たちを利用しているのだと思います。

とくに「にせ科学批判に党派性はない」という
彼らが大好きな「お題目」は、ネトウヨというあきらかに
政治的偏向がある人たちが、自分は政治的に
中立だと表面的にだけでも主張することに
おおいに役に立っていると思います。

最初の記事でははからずも「ノンポリが政治的な層、
特にウヨに振り回される歴史」と書いています。
現在のにせ科学批判はネトウヨに振り回されている、
もしくはネトウヨに振り回されるノンポリに、
にせ科学批判が加わっている、ということです。


今後のにせ科学批判の世界の展望ですが、
予想されることは、このままネトウヨと関係を続けていると、
いずれ自分たちの首を絞める、ということがあります。

この予想が当たるかどうかはなんとも言えないです。
いまのところ『新潮45』の休刊に相当するような
衝撃的な事件がにせ科学批判の関係者たちに
起きていないですし、「退廃思想集団と長くかかわって
いいことはない」という抽象的な議論しか
できないレベルだと思います。

にせ科学批判にネトウヨの匂いを感じ取って
避けるようになっているかたは、すでに結構いるようですし、
にせ科学批判に対する信頼の失墜は
すでにある程度進行しているように思います。


にせ科学批判の関係者たちはなにをなすべきかは、
もちろんネトウヨに対して「毅然とした対応を取れ」です。
ネトウヨを批判すればいちばんいいでしょう。
そこまでいかなくても、ネトウヨに関わらない、
ネトウヨに影響力を持たせない、ネトウヨに利用されない、
くらいのことは必要だと思います。

はてなの匿名記事に対する反応を見るかぎり、
当のにせ科学批判の人たちは、このような問題意識を
持っていないか、はなからこのような問題が
あることを否認しようとしています。
彼らの多くがネトウヨに対して毅然とした対応を取ることは、
とうぶんは期待できそうにないです。

「またにせ科学批判の右傾化問題」

posted by たんぽぽ at 21:24 | Comment(0) | 政治活動・市民運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - ネトウヨ問題・にせ科学批判の責任 web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。