2018年11月28日

toujyouka016.jpg 女性論を研究する女性は面倒?

「ヒラリー」と「たまごどん」が、以下のコメント欄で、
「東京大学を出ているAV女優だったかたが、
大学院で女性論を専攻していて面倒だ」
という主旨の会話をしています。

「風俗嬢について調べてみた」

 
7. たまごどん 2016年02月18日 00:07
この東大卒のAV女優さん、なかなかにメンドくさい性格みたいですねえ。
8. ヒラリー 2016年02月18日 08:52
この女性がメンドウな性格だろうなっていうのは、
私もすごくそう思います。
個人的には大学院で女性論を、という時点でメンドウです。

このふたりは、中村淳彦氏の著書に出てくる
女性について会話しているのですが、
具体的にどんなかたかを、わたしは知らないです。

よってここでは著書に出てくる女性にかぎらない
「一般論」としてお話したいと思います。
つまり一般的な「大学院で女性論を研究している女性を
面倒と思うこと」について考えます。


女性論を研究することで得られる見識は、
社会に蔓延するジェンダー差別構造の実態です。
よってそのような女性が「メンドウ」というのは、
ジェンダー差別構造の矛盾や欺瞞を指摘する女性が、
「メンドウ」ということになります。

ジェンダー差別を指摘する女性が「メンドウ」と感じるのは、
その差別構造に安住し、利用して利益を得る加害者です。
「ヒラリー」は自分がそのような加害者だと
自覚したくないし、もっとジェンダー差別を利用して
利益をむさぼりたい、ということだと思います。

こうした考えの人(男性)にとって「メンドウ」でないのは、
ジェンダー差別によって抑圧や搾取をされても
どうしたらいいかわからず泣き寝入りする女性です。
もっといいのは、抑圧や搾取をされていることにさえ
気づくことができす、騙されておとなしく
自分(男性)の利益に供する女性です。


典型的な差別主義者の発想です。
東京大学の大学院で研究するくらいの女性であれば、
ジェンダー差別構造の問題に気がつく知性くらいあるでしょう。
泣き寝入りしてくれたり騙されることを
期待するほうが無理というものです。

女性たちにはほかでは賢くあってほしいが、
自分が利益を得ているジェンダー差別構造だけは
絶対に気づかないでほしい、などと考えているとしたら、
虫がよすぎるというものです。


問題の女性はAV女優だったとあります。
つまり自分の性を男性に搾取させるために
みずから差し出す女性であり、「ヒラリー」にとっては
都合のいい「モデル・マイノリティ」ということです。

「モデル・マイノリティ」でいるなら可愛がってやるのに、
女性論なんか研究して、きゅうに男に牙を向けやがって、
というので、よけいに「メンドウ」なのでしょう。


少なくない女性にとって、「ヒラリー」のような
ジェンダー差別的な中高年男性こそ、
とてもとても「メンドウ」な存在です。
あなたたちのような差別主義者は、前述のように、
ジェンダー差別構造を利用して女性を抑圧し搾取することで、
自分たちの利益を得ようとするからです。

女性たちはあなたたち差別主義者から
搾取や抑圧をされないよう、自分の身を守るために、
多くのリソースを回さなければならないです。
あなたたちのほうが社会的立場が上のことが多いので、
なおさら多くのリソースを必要とします。
こんな「メンドウ」なことはないです。

それでもなにもしなければ、自分の生活や尊厳が、
あなたたちによって損なわれることになります。
それゆえ「メンドウ」でも、あれやこれやと対処方法を
考え出して実行するよりないことになります。

posted by たんぽぽ at 22:56 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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