増えているらしく、それについて記事になっています。
この記事はネトウヨに関していろいろと示唆的だと思います。
「突然、父がネトウヨに…スマホで右傾化する高齢者たち」
(はてなブックマーク)
ここ最近、弁護士に対して根拠のない懲戒請求を
集団で送ったネトウヨたちが、問題になっています。
「なぜ起きた?弁護士への大量懲戒請求」
彼らネトウヨたちは弁護士から逆に訴えられたのですが、
そうした中に高齢層が多いことがわかったのでした。
それで高齢ネトウヨが問題となってきたということです。
ネトウヨから絶大な支持を集めるブログ
「余命三年時事日記」を通じて弁護士に根拠のない
大量の懲戒請求を行った者たちが、逆に弁護士から訴えられる
という事件が表面化し話題になった。
こうした不当な懲戒請求に対して、
10月末から弁護士たちの反訴が始まった。
それにより、懲戒請求をした、いわゆるネトウヨと呼ばれる人たちには
意外にも高齢者が多かったことが判明したのだ。
「和解の申し入れや謝罪などの連絡をしてくる人が
何十人かいるが、一番若い人で40歳。
60歳や70歳という人もいたので、平均年齢は高いと感じました」
(懲戒請求を受けた北周士弁護士)
彼ら高齢層はどうやってネトウヨになるかですが、
やはりネットの怪しい情報が原因のようです。
ネットでヘイト本やネトウヨ本の存在を知って、
それらを読むことで、危険思想に感化されるようです。
このあたりは、ほかの世代でネトウヨ化する人たちと同様と言えます。
「あり余る時間を読書に充てたことで、
とにかくいろんな本を読むようになった。
その中にいわゆるヘイト本が交じっていたのがきっかけだと思います。
そうした本をスマホで検索すれば、
ほかのヘイト本やネトウヨ系サイトが出てきます。
ネットに耐性のない高齢者がそういう情報に触れて
鵜呑みにしたんだろうと思います」
高齢層に特有の事情として、彼らはすでに定年退職して
時間に余裕があることが大きいと思います。
その余裕のある時間を、ネットで怪しい情報を
あさるために使うということです。
ヘイト本やらネトウヨ本やらで感化された人が、
またネットをやることで、自分の得た知識を補強する
情報に触れて、いよいよ信念を強固にするのだと思います。
ネットは必要以上に情報が氾濫しているので、
偏った思想や危険な思想の持ち主でも、自分の信念の強化に
都合のいい情報だけ、選択的に接することができます。
「ネットをやるほどリテラシーが下がる」
その手の怪しげな情報は、実際には「自分の信じたいこと」に
合致するから説得力があると感じるだけです。
それを「説得力があるのは正確な情報だからだ」と、
思い込んで確信するということです。
一度、従軍慰安婦問題なんてなかったと信じた人が、その関係のものを探そうとすると実にいろいろな人の発言がネット上や出版物から拾えて、自分の考えが正しいのだとより信じ込める様にできている。ただし歴史学の文献から探せば、そうじゃなかったと分かる。これが学問というものだ。
— エリック ・C (@x__ok) 2017年12月5日
さらにリテラシーに関して、彼ら高齢のネトウヨたちには
素直な人物が多いという指摘があります。
「日本をよくしたい」と率直に思っているものと思います。
「彼らの傾向として平均年齢が高く、素直な人物が多いという印象。
『日本をよくしたい』という自分の考えに沿うようなネット情報に
出合えばそれを疑わず、付随して表示される偏った
関連情報を延々と閲覧して、自説を強化してきたのでしょう。
ネトウヨはほとんどすべてが、自分は愛国主義的で、
日本をよくしたいと考えていると謳っています。
わたしのブログをご覧になるくらいのかたでしたら、
そんなものは独善的で妄想だとすぐにわかるでしょう。
それでもリテラシーが弱く、「日本をよくしたい」と
率直に思う素直な人であれば、ネトウヨの謳い文句を
そのまま信用して「社会正義に目覚める」のでしょう。
「素直」とか「率直」と言うと聞こえがいいですが、
ようは「だまされやすい」ということです。
ネットにはネトウヨ的情報が多く、それらに接することで
感化されやすいというリテラシーの問題については、
かねてからたくさん議論されていると思います。
もうひとつネットの特徴として、ネットのおかげで
ヘイト本を買いやすいこともあるようです。
リアルに書店に行っても絶対買えないような
危険思想のネトウヨ本でも、ネットを使ってなら
姿を見られないので買いやすいということです。
「過激なタイトルのヘイト本を地元の本屋で
買うのは抵抗があるみたいなんですが、
スマホだと誰にも見られないじゃないですか。
中学生がこそこそエロ本を買うのと同じですよ。
娘がオヤジのスマホでYouTubeを見ようとしたら、
ネトウヨ動画がズラっと出てきて、頭がクラクラしました」
こうして見ると、やはりネットの差別主義者を
放置するのはよくなくて、彼らのひずんだ意見に対しては、
リソースの許すかぎり反証する必要があると、
あらためて思うことになります。
「差別主義者は放置がよいか?」
「差別主義者は放置がよいか?(2)」
選択的夫婦別姓問題も同様で、反対派(非共存派)の主張を
野放しにせず、可能なかぎり反証して、第三者が適切な
情報にアクセスを可能にするということです。
ネトウヨや選択的夫婦別姓の反対派の主張なんて、
ばかげているから、真に受ける人なんていないだろう、
という反論には、意味がないことはあきらかでしょう。
ネトウヨ情報に感化されてネトウヨ化した、
高齢ネトウヨのような人たちが、現にたくさんいるからです。
どんなばかげた主張でも、それを真に受ける人は
かならずいると、考えておく必要があります。
高齢ネトウヨのようなリテラシーの弱い人が、
ネトウヨ思想に感化されないためにどうしたらよいか、
一般のネットユーザができることは、
ネトウヨ情報を減らして、適切な情報を増やすことです。
それによってリテラシーの弱い人が
ネトウヨ情報に触れて感化される確率が下がるし、
それと同時に適切な情報に触れる確率が高くなります。
かくして彼らがネトウヨ化する確率が下がることになります。
すでに存在するネトウヨ情報は減らしようがないです。
よってネトウヨ情報に反証し、適切な情報を増やすことで、
相対的にネトウヨ情報の存在比を減らすことになります。
ネトウヨ思想に感化されてネトウヨになるのは、
もともと本人の資質がそうだったというだけで、
情報や媒体から遠ざけることは本質的でない
という意見もあって、それはそれでもっともなことです。
それでもネトウヨ思想に接触しなければ、
なにごともなくネトウヨにならずにすんだ人たちでもあります。
本人の資質を変えることはきわめて困難ですから、
ネトウヨ情報に接する確率を少しでも下げることが、
ネトウヨ化を防ぐ「予防策」になるでしょう。