2018年12月18日

toujyouka016.jpg 最高法規と条約の遵守の規定

11月14日エントリと12月4日エントリの続き。

「女子差別撤廃条約と最高裁判決」
「女子差別撤廃条約と憲法98条2項」

日本国憲法98条2項で、条約の遵守が定められています。
この条文にもとづいて、日本は女子差別撤廃委員会の
勧告を守る責務があるという、わたしの指摘に対する
「四条烏丸」の認識を見てみたいと思います。
 
 
「日本国憲法 > 第10章 最高法規」

第98条 
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、
これを誠実に遵守することを必要とする。


わたしはツイッターでも、憲法98条2項で国際条約の遵守が
定められていることを「四条烏丸」に指摘しました。
「四条烏丸」は「国内法に準じて行動するのが正しい」と
言っているし、憲法98条2項は日本の「国内法」です。
憲法98条2項に準じて行動はしないのかと思います。



そうしたらなにを思ったのか「四条烏丸」は
「違憲なら訴訟しろ」と、前と同じことを言ってきました。
「憲法98条2項を守らなくていいのか?」という、
お尋ねの答えになっていないのはあきらかです。


このような「あさっての方向」のコメントに対しては、
12月6日エントリでお話しています。

「女子差別撤廃条約と最高裁判決(2)」

a. ここでは「四条烏丸」の認識を訊いている。
b. 論点は「夫婦同姓の強制は人権侵害か?」であって、
「夫婦同姓の強制は憲法違反か?」ではない。


いま問題にしているのは上記のa.とb.であるという
指摘をした上で、もう一度憲法98条2項を
守ることについて、「四条烏丸」にお尋ねしました。


今度の「四条烏丸」は「夫婦同姓の強制は最高裁で
合憲と出ている」と、しゃあしゃあと言ってきました。
「憲法98条2項を守らなくていいのか?」という、
お尋ねの答えになっていないのはあきらかです。


これまでの会話の流れは、

1.「最高裁判決で合憲」
2.「最高裁判決は女子差別撤廃条約に反して差別的法規」
3.「ここは日本だから国内法優先」
4.「国際条約はすべての国内法より上位法。
 また憲法98条2項で条約の遵守が規定されている」

ですが、ここまで来て「四条烏丸」はまた

5. 「最高裁判決で合憲」

です。

これまで議論してきたことをまったく無視して、
最初と同じことを言うという「戦略」に
「四条烏丸」は出た、ということかもしれないです。
この「戦略」の厚顔無恥ぶりについても
言うことはありますが、ひとまず置いておきます。


「四条烏丸」が最初と同じことを言うなら、
わたしが言うことも必然的に同じになります。
それを指摘した上で、さらにもう一度わたしは
憲法98条2項を守ることについて、お尋ねしました。


ここで「四条烏丸」はようやくいままで
言ったことのない、新しいことを言いました。
「最高裁判決のほうが(憲法より)優位」だそうです。
今度は「憲法98条2項を守らなくていいのか?」という
お尋ねの答えの体裁にはなっていると言えます。



会話がまがりなりにも進んだのは「一歩前進」ですが、
なにを根拠にこんなことを言うのかと思います。


日本国憲法98条1項で、憲法が最高法規と規定されています。
つまり憲法がすべてに優先するということです。

http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM#s10
第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、
その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関する
その他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

最高裁判決は「国務に関するその他の行為」ですから、
憲法に従ったものでなくてはならないし、
憲法より優位に置かれてはならないものです。
つまり「憲法が最高裁判決より優位」です。



「四条烏丸」さんには次のことをお尋ねしたいです。

1. 最高裁判決が憲法より優位という、
 「四条烏丸」さんの認識は、なにが根拠ですか?


2. 「四条烏丸」さんは以下のことを理解しましたか?

「現行民法の夫婦同姓の強制は合憲」という
2015年12月の最高裁判所の判決は、女子差別撤廃委員会から
「差別的法規」であると勧告を受けています。

日本は憲法98条2項の規定にもとづいて、
女子差別撤廃条約を根拠とする女子差別撤廃委員の
勧告に従い、夫婦同姓の強制を差別と理解し、
選択的夫婦別姓を導入する責務があります。

そして憲法98条1項の規定にもとづいて、
夫婦同姓の強制を合憲とした最高裁判決より、
憲法98条2項の批准した条約の遵守、およびその条約が要求する
女子差別撤廃委員会の勧告が優先されます。

posted by たんぽぽ at 06:18 | Comment(0) | 法律一般・訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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