東京都中野区が「選択的夫婦別姓制度の法制化を
求める意見書」を賛成多数で可決したことについてです。
「【祝え!】23区初!中野で選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書が採択【まさに生誕の瞬間である!】」
意見書に対する討論の中で、立憲民主党の森たかゆき議員が、
自分は妻の名字になっていることを明かしました。
ここで名乗っている「森」は改姓前の生来の名字です。
選択的夫婦別姓問題は、自分も当事者ということです。
本会議終了。私が賛成討論した「選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書」は無事に可決されました。添付が討論原稿です。私は今回の討論で初めて自分が妻の姓にしていることを公にしました。どれだけ意味があるか分かりませんが、選択的夫婦別姓制度実現に向けて少しでも力になればと考えています。 pic.twitter.com/q5AgeKXedr
— 森たかゆき 中野区議会議員 (@moritakayuki) 2018年12月14日
最後は立憲民主党の森たかゆき議員の賛成討論。公の場で初めて妻氏婚されたことを明かした上で「自分も当事者である」と訴えて下さいました。「個人及び少数の権利擁護の両立は近代民主制の基盤」「少数の権利保障のための判断を政治がすべき」の言葉に胸が熱くなりました。https://t.co/86Ay4LsG1g
— nana (@nana77rey1) 2018年12月14日
議員の中に「自分も当事者」というかたが現れると、
選択的夫婦別姓の実現のために活動している
かたたちにとっては、大いなる励みになると思います。
政治における直接的な意思決定の場に、
自分たちと気持ちや考えを共有できる人がいるからです。
また一般市民から選択的夫婦別姓の実現のための
アクションがあることで、議員のほうも自分も当事者である
ということを、明かしやすくなるのだろうと思います。
ほかのマイノリティもそうですが、
選択的夫婦別姓を望む人や、選択的夫婦別姓問題の当事者は、
身近なところにいるということです。
自分たちと関係のないどこか遠くの場所にいる存在
ではないということです。
中野区議会は議員が42人います。
これだけの人数がいれば、その中に選択的夫婦別姓の
当事者が何人かいても不思議はないでしょう。
日本では婚姻で妻の名字が選ばれる割合、
つまり男性が改姓するケースは全体の4%程度です。
既婚男性の25人にひとりという割合です。
それゆえ、数十人規模が集まる場所であれば、
妻の名字に改姓した男性がいる可能性が高いことになります。
女性で選択的夫婦別姓(非改姓婚)を
希望する人はもっと多いでしょう。
2015年11月の東京新聞のアンケートによれば、
自分も夫婦別姓(非改姓婚)を希望する、
というかたは、女性では28.7%でした。
「東京新聞・別姓のアンケート」
2016年のはじめごろの、首都圏勤務の20代と30代の
女性を対象にしたウートピのアンケートでは、
夫婦別姓(非改姓婚)を希望するかたは63%でした。
「非改姓結婚希望が6割以上」
これだけいれば、そこら中に結婚改姓したくない女性、
夫婦別姓を選択したい女性はいることになります。
とくに選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
選択的夫婦別姓の希望者をごく少数だと思いたくて、
「選択的夫婦別姓を望む人は、自分のまわりにはいない、
聞いたこともない」と言うことがあります。
「女性に結婚改姓の希望がある?」
それはマイノリティのつねとして、自分が選択的夫婦別姓の
希望者であることを公言せず隠しているから、
存在がわからないというだけのことです。
とくに反対派(非共存派)は、選択的夫婦別姓の
希望者に対して、攻撃的、否定的、差別的です。
そんな人の前で、自分は選択的夫婦別姓を望んでいる、
なんて打ち明けるはずもないことです。
それゆえ反対派(非共存派)には、選択的夫婦別姓の
希望者がなおさら見えなくなるということです。
(選択的夫婦別姓を望む人が、みずからの存在を隠すのは、
まさに反対派がどこにいるかわからないからです。)