総務省統計局が毎年子どもの日に発表している、
子どもの人数と割合の調査では、
人口4000万人以上の人口大国にかぎりですが、
子どもの割合の国際比較も示しています。
今回は、これを見てみたいと思います。
「我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)」
子どもの割合が最低の国は、12.1%の日本です。
近年は、日本は毎年子どもの割合がもっとも低い国、
すなわち世界一子どもが少ない国が続いています。
2位は韓国で、2018年7月のデータで12.9%です。
前回の2017年7月の調査では13.1%だったので、
今回の調査でついに13%を切ったことになります。
3位と4位はイタリアとドイツで13.4%です。
(小数第一位までなので同じ値ですが、
小数第二位まで表示すると、差が出るものと思います。)
日本、韓国、イタリア、ドイツという、
家族やジェンダーに関して因習的な4カ国で、
世界でもっとも子どもが少ない国を占めるという状況は、
ここへきて定着してきたようです。
「良妻賢母嗜好と出生率」
「良妻賢母が好きな国はなぜ出生率が低いか」
良妻賢母が好きでない国の方が出生率が高い」というものです。
少子化の国は「日本、イタリア、ドイツ、韓国」など
「伝統的家族観」が強いところ。当然良妻賢母が良しとされます。
イタリアなんか「マンマ」の国ですし。
「日韓独伊」という少子化の4カ国の
子どもの数の割合の推移は、どうなっているかと思いました。
そこで最近10年の変化を示してみました。
調査月は国によって1月だったり、7月だったりと
一定でないですが、それほど差はないでしょう。
子どもの割合が最低の日本ですが、
2010年から2019年までほぼ一定のペースで、
直線的に減少を続けています。
依然として家族政策がなおざりなことに加えて、
親世代の人口が減り出しているので、
今後もまだまだ減少を続けると思われます。
ドイツは2010-11年は日本とほぼ同程度でした。
ところが2013年14年に13.1%で谷底となり、
以後は少しずつ上昇をしています。
ドイツの子どもの割合は下げ止まったようです。
まがりなりにも家族政策の効果が出たのでしょうか?
イタリアは2013年ごろまでは、子どもの割合は
ほぼ一定でしたが、2014年以降、減少が早まっています。
日本を追い越すことはなさそうですが、
ドイツとはすでに逆転しています。
韓国は子どもの割合の減少が早いです。
2010年には16.2%で、ほかの3カ国よりずっと
高い割合でしたが、2016年にはイタリア、
2017年にはドイツを抜いて2位となっています。
韓国は急速に社会の体質が「先進国」的になってきた、
ということかもしれないです。
2016年以降は、韓国でも子どもの割合の
減りかたはいくらか鈍くなって、
日本やイタリアと同程度になっています。
今後も同じペースが続けば、子どもの割合で
韓国が日本以下になることはなさそうですが、
2位をキープすることになりそうです。