2019年05月18日

toujyouka016.jpg 自分の改姓を考えない同姓派男性

夫婦はすべて同姓でなければならないと考え、
選択的夫婦別姓に反対する男性は、
まことに残念ながら少なくないです。

このような男性は、自分が結婚改姓する可能性を
どの程度考えているのか、自分は改姓せず、
妻が改姓することを当然としていないか、という
疑問を持つかたもいらっしゃると思います。

つぎのツイートは、まさにその疑問を示しています。
今回は、この疑問について考えたいと思います。

 


実態はツイートのかたの予想どおりだと思います。
夫婦同姓を強制することを主張して、
選択的夫婦別姓に反対する男性は、
自分が改姓しないことは自明かつ当然としているようです。
そして「相手の女性に非改姓権を認めるかどうか」の
問題だと考えているようです。

なぜなら「自分は夫婦別姓に反対で、
夫婦同姓であるべきと考えているから、
相手の女性が改姓したくないなら、自分が改姓する」と
主張する男性を見ないからです。


結婚後の苗字のことで、婚約している男女のあいだで、
折り合いがつかなくなるのは、
男性は「夫婦同姓がいい」
女性は「結婚改姓したくない」
と考えていることが、一番多いケースのようです。

この場合、男性が改姓して女性の苗字を名乗れば、
双方の希望が満たされ解決するはずです。
この案を提示した場合、女性は納得しますが、
男性は受け入れたがらないことが多いです。

このような男性は自分が改姓しないことを、
自明かつ当然と考えているので、
「夫婦同姓がいい=相手の女性が改姓する」だと
思っていて、自分が改姓する可能性を
考えていないことを示していると思います。

「改姓させたい男の子たち」

(もちろんこの案を提示したことで
わかってくれる理解力のある男性もいます。
この「理解」は「じゃあぼくが改姓しよう」ではなく、
「改姓したくない君の気持ちはわかった」と
考えるようになることが多いです。)


選択的夫婦別姓に反対する男性で、
わりと平然と「自分は結婚改姓してよい」と言う男性は、
すでに結婚して妻に改正させて
夫婦同姓で安住している人です。
自分は改姓する可能性がなくなってから
「自分は改姓してよい」と言うということです。

このような男性が結婚前、自分が改姓する
可能性があるうちから、自分は改姓してよいと
言っていたかは、とても疑問です。
前述のように、「夫婦同姓であるべきだから、
相手の女性が改姓したくないなら、自分が改姓する」と
考える反対派男性を見ないからです。

結婚によってとても有利な条件がつくなら
自分が改姓してよいとわりと平然と言う、
選択的夫婦別姓の反対派男性も、ある程度いるようです。
具体的には「妻の実家がかなりの資産家で、
結婚したら自分が財産を引き継げるなら、
妻の苗字に改姓してよい」といったことです。

女性は夫の実家の資産に関係なく、
ほぼ無条件で結婚改姓することを要求されます。
それならば、反対派男性も条件などつけず、
おなじように無条件で自分が結婚改姓してよいと
思ってほしいところです。


「選択的夫婦別姓に反対で、夫婦同姓がいいなら、
あなたが改姓したらいい」と言うと、
激怒する男性の議員もいたりします。
よくこんなことが言えるなと、衝撃的です。



実はこれが「夫婦は同姓であるべき」と
考える、選択的夫婦別姓の反対派男性の
本性なのだろうと思います。
自分は改姓しない、相手の女性が改姓して当然、
そのための夫婦同姓の強制、ということです。

一般の男性は、思っていてもここまで
あからさまに正直に言うことは、あまりないです。
「自己中心的だ」「ジェンダー差別的だ」と
簡単に反論できることは、言うのがはばかられるからです。

ツイートで言及される議員氏が正直なのは、
支援者に囲まれている機会が多く、
先生、先生と持ち上げられるからだろうと思います。
批判する人はとっくに支援者でなくなっているでしょう。
それで自己中心的で差別的なことでも、
遠慮なく言えるのだろうと思います。


選択的夫婦別姓に反対する男性は、
推進派と選択的夫婦別姓の議論になったときに、
追い詰められて「自分が改姓してよい」と、
しかたなしに言うことがある程度です。
それは議論に負けたくないから言うだけで、
本心でないのはほとんどあきらかでしょう。

それでも「自分が改姓してよい」とは
絶対に言わない、反対派の男性も少なくないです。
どうせ議論なのだし、うそをついても反証はできないです。
それでも自己中心的でジェンダー差別的な
自分を「正直」にさらす、それくらい自分が
結婚改姓することは嫌なことのようです。



付記:

最初のツイートのかたは、2015年12月に行なわれた、
東京新聞の選択的夫婦別姓に関する
アンケートについて取り上げて、
わたしのエントリをご覧になっています。



つたないブログを読んでくださり、ありがとうございます。


posted by たんぽぽ at 10:35 | Comment(5) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
>「選択的夫婦別姓に反対で、夫婦同姓がいいなら、
あなたが改姓したらいい」と言うと、激怒する男性の議員もいたりします

そんな我儘な奴がいるのは想定の範囲外です。
Posted by あいうえお at 2024年01月04日 18:54
コメントが承認制のエントリに
コメントをくださりありがとうございます。
今回はいただいたコメントに
すぐに気がついて承認しました。


選択的夫婦別姓に反対する男性は、
ほぼすべてが「そんなわがままなやつ」です。

それでもたいていの反対派(非共存派)は、
激怒せずいろいろと言い繕ってごまかしますが。
その程度には「わがまま」を隠します。

議員はこのあたりが正直なことが多いです。
一般の人たちよりは権力者で、
取り巻きの支持者たちから
持ち上げられるからかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2024年01月08日 15:44
エントリでリンクしたツイートは、
どれもアカウントがいまは非公開ですね。


選択的夫婦別姓を求めるかたの
ツイートが見当たらないときは、
アカウントを非公開にしているか、
自主的に削除したこと多いようです。

反対派(非共存派)のツイートが
見当たらないときは、アカウントが
凍結していることが多いと思います。
Posted by たんぽぽ at 2024年01月08日 15:45
こんなワガママな発言して票を失うと考えないのでしょうか。
Posted by 改姓した男の人 at 2024年01月08日 19:16
統一教会や神道政治連盟といった
宗教団体から選挙活動の支援を
受けられるので、かえって票は
確保できるのではないかと思います。
Posted by たんぽぽ at 2024年01月14日 11:18
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