2019年05月19日

toujyouka016.jpg 選択的夫婦別姓は大きな争点

毎日新聞の東京夕刊、「熱血!与良政談」の
5月8日の記事は、選択的夫婦別姓についてです。
立憲民主党の枝野幸男が、選択的夫婦別姓を
今度の参院選の争点にする
方針を打ち出したので、
それを受けてのものです。

「熱血!与良政談 夫婦別姓は大きな争点だ=与良正男」
「熱血!与良政談 夫婦別姓は大きな争点だ」(全文)

電子版は有料記事ですが、紙面版の記事が手に入ったので、
これを見てみることにします。

 
選択的夫婦別姓の実現の実用性を主張する
枝野幸男に対して、家族やジェンダーに因習的な人たちが、
「夫婦同姓は日本の伝統」とかいつものように
反対することにも、少しだけ触れています。

それよりもこの記事は、野党支持者の中にも、
選択的夫婦別姓を選挙の争点にすることに
反対する人が目立ったことを問題にしています。

私が驚いたのは、野党支持者の中には
「そんな話をしている場合か。
訴えるべきは憲法改正阻止や消費増税阻止だ」と
失望する声がSNS上で目立ったことだ。

そういう人は残念ながらたくさんいます。
わたしもツイッターで見かけています。
補助ブログの5月12日エントリで話題にしています。

「選択的夫婦別姓は草の根の声」



エントリではスレッドのいちばん上にある
上記スレッドだけしか取り上げていないです。
じつはここについたリプライには、
選択的夫婦別姓を選挙の争点とすることに
否定的なツイートがもっとたくさんあります。


スレッドに登場する彼らはそのほとんどが
野党支持者か、自民党、安倍政権に
批判的な人たちだろうと思います。
選択的夫婦別姓には、かならずしも
反対しているとかぎらないでしょう。

意見を訊けは、おそらく選択的夫婦別姓には賛成だと
答えるかたが多いのではないかと思います。
そんな彼らも選択的夫婦別姓を
選挙の争点にすることには反対で、
争点にしたら選挙に勝てない言うわけです。

選択的夫婦別姓を前面に出すことに、
彼らがかくも否定的なのは、例によって
「政治とは天下国家を語ることである。
「オンナコドモのことなんてくだらないことを
語るものではない」という「政治的ミソジニー」に
取り憑かれているからだと思います。

「争点にならない女性政策」




選択的夫婦別姓の実現に反対し続けた
直接的な主体は、自民党であり日本会議です。
つまり選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)です。
彼らは家族やジェンダーに因習的で差別的な、
「オンナコドモはだまっていろ」の人たちです。

選択的夫婦別姓の実現を妨害することは、
彼らがもっとも重視してきたひとつであり、
血道をあげてきたことだと思います。

「日本会議・別姓反対小史」
「日本会議・別姓反対小史(2)」
「日本会議・別姓反対小史(3)」

日本会議と家族をめぐる主な動き

選択的夫婦別姓は、法制審議会の答申書が
1996年に出てから、23年間実現しないままです。
これは選択的夫婦別姓に反対することを
重要課題にしてきた、自民党、日本会議の
「成果」であると言えるでしょう。

政治がやっと動き出し、国の法制審議会が
選択的夫婦別姓制度を答申したのは1996年。
だが自民党を中心に「別姓は家族の一体感を損なう」等々の
反対論が強く、その後一向進まないのだ。


日本会議のような「オンナコドモは
黙っていろ」の人たちが、活動を続けられるのは、
「オンナコドモのことはくだらない」と
考える一般社会が、彼らに関心を
持たないこともあるでしょう。

「日本会議・ミソジニーの本質」

「日本会議は、とりわけ細川内閣誕生以来、
『壮大なる反対運動団体』になってるんです。
曰く、『男女共同参画反対』『慰安婦報道反対』
『夫婦別姓反対』『性教育反対』と。
40年近くある彼らの歴史は、
ずっと反対運動の歴史なんです」と、具体例を挙げる。

「彼らが反対運動を起こすのは、男女共同参画にしても、
慰安婦報道にしても、夫婦別姓にしても、
性教育にしても、全部、『女子供』の話なんです」と。
ここまで話しても、だいたいの人は気づかない。
だからもう一度念を押す。
「男女共同参画にしても、慰安婦報道にしても、
夫婦別姓にしても、性教育にしても、全部、『女子供』の話です。
これ、皆さん方、メディアの人々も、
そしてその需要サイドである我々社会も、
最もバカにする分野の話ですよね?」と念を押す。
ここまでくると反応が分かれる

「つまり皆さんと皆さんの報道の消費者である僕たち市民社会が、
『女子供の話だからどうでもいい』と等閑視していた事柄ばかり、
彼らがやってきたから、彼らの運動が報道されないんです。
つまり日本会議と我々は両方とも加害者」という話をする。


自民党、日本会議がこれだけ長く
選択的夫婦別姓の実現を阻止できた「成果」も、
「オンナコドモのことはくだらない」の人たちが
無視黙殺してきたことに支えられても
いるのではないかと思います。

最初のツイートの野党支持者(?)のように
選択的夫婦別姓なんて「オンナコドモのことは、
草の根の声ではない」とか、「争点にすると
選挙に勝てない」と言う人たちが、
日本会議などの選択的夫婦別姓の反対派を
アシストしているということです。

野党支持者をはじめ一般社会が、
「オンナコドモのことはくだらない」と考えず、
ジェンダー問題にもっと関心を持っていれば、
日本会議は効果的な活動ができなかったでしょう。
選択的夫婦別姓もいまごろは
もう実現していたかもしれないです。


選択的夫婦別姓を実現するにあたって、
反対派(非共存派)に関しては、
多くの関心が払われ、たくさんの情報が蓄積され、
対策も考えられていると思います。

さらに「オンナコドモのことはくだらない」と考える、
反対派(非共存派)をアシストしている人たちも、
選択的夫婦別姓の実現のためには、
対策を考える必要がありそうです。

posted by たんぽぽ at 21:48 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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