2019年05月29日

toujyouka016.jpg 平成の歴史的失策・子どもの人口崩壊

5月8日エントリ5月9日エントリで、
総務省が子どもの日に発表している、
子どもの数の推移についての調査を見てきました。

マスコミもこの話題を取り上げています。
今回はメディアの記事を見てみることにします。

「子どもの人口1533万人、38年連続減=平成30年間で3分の2に」
「子ども、平成で787万人減 進む少子化「令和でも…」」
(はてなブックマーク)
「子ども、38年連続減 14歳以下1533万人」
「人口推計 子どもの数、38年連続減 14歳以下1533万人」

 
(記事の最初しか読めないものもあるけれど、
全文読むべく紙面版を探しには、今回は行かない。)


今年は元号が平成から令和に変わった直後なので、
平成30年間の子どもの数の変化に注目しています。

今年4月1日現在の15歳未満の子どもの数は
1533万人で、前年より18万人減った。
1982(昭和57)年から38年連続の減少で、
記録がある50年以降の最少を更新した。
「平成」の30年余りでは、89(平成元)年の
2320万人から787万人減っており、
少子化を象徴する結果となった。
前年より18万人少ない1533万人で、
1982年から38年連続の減少となった。
比較可能な50年以降、過去最少を更新。
平成元年(89年)の2320万人から約30年間で
およそ3分の2に減ったことになり、
少子化の進行を改めて印象付けた。
時代が令和になっても歯止めをかけるのは容易ではない状況だ。

平成最初の1989年の子どもの数は2320万人ですが、
最後の年である今年2019年は1533万人でした。
平成年間で3分の2に減ったということです。
ちょっとした「人口崩壊」と呼べるかもしれないです。


人口崩壊といっても子どもだけです。
また本来、短い期間で大量の人口を
失なうことを人口崩壊と言います。
30年かかっているので「緩やかな人口崩壊」と
いうことになるかもしれないです。

それでも30年間で3分の1の子どもの数を
減らしたことは、将来の労働力の不足や
それにともなう経済力の低下など、
社会の諸方面に影響をおよぼすことは確実です。

経団連のシンクタンク「21世紀政策研究所」の
調査によると、日本は2050年には
先進国から脱落することが予想されます。
人口減少のためにGDPの成長が停滞するからです。
「人口崩壊」を起こしていると言えそうです。

「2050年に先進国から脱落?(3)」

主要国比較 GDP

主要国比較 GDP年平均成長率(実質)


「緩やかな人口崩壊」を起こしている理由は、
人口の維持、回復のための効果的な
家族・ジェンダー政策にじゅうぶん力を
入れてこなかったからにほかならないです。

人口回復のためにも家族・ジェンダー政策の
重要性を理解している人たちもいます。
ところが、因習・反動的な家族・ジェンダー観に
固執する人たちが、効果的な政策に反発を続けたのでした。

「少子化対策の無策と愚策」
「顧みられない家族政策」


社会の現状を把握できず、また把握しようとしない
因襲的な彼らは、家族・ジェンダー政策に対して
意識のある人たちの妨害をすることになります。
かくして人口政策は、無策・愚策に迷走していきます。



政府が将来人口が減り続けることを
深刻と考えるようになったのは1989年です。
それから政府は対策のために動くようになり、
人口減少対策のための政策として
育児休業法を制定したのが1991年です。

「実は、日本は少子化を目指していた
非婚、晩婚、負け犬の遠吠え…、古い道徳観に失政が重なった」


1989年に合計特殊出生率が1.57まで急落して
少子化が社会問題となり、政府が動き出したのはこの後です。
1991年にようやく育児休業法が制定されました。

これが最初の「人口政策」になるでしょう。
それゆえ「少子化問題」はほぼ平成時代の
問題と考えることができます。
家族・ジェンダー政策をじゅうぶん推進できず、
「子どもの人口崩壊」を起こしたのは、
平成時代の「歴史的失策」と言えるでしょう。


記事では、令和になっても子どもの数が
減り続ける状況に歯止めはかかりそうにないと、
今後の見通しに少し触れています。
これは無理もないことだと思います。

「保育園落ちた」の匿名記事が
社会問題になったとき、政府の対応
世論の反応を見ても、家族・ジェンダーに対して
因襲・反動的な勢力は依然として強いです。
今後もまだまだ効果的な政策は
妨害されることが多いと予想されます。

しかも現在の親世代は1980年代産まれです。
すでに少子化が始まった時代に産まれた世代で、
人数が減り続けているということです。
今後はさらに親世代の人数が減っていきます。

令和時代は、効果的な政策の不徹底に加えて
親世代の人口減少が重なるわけです。
子どもの減少は加速がかかる要素ばかり、
歯止めがかかるはずないというものです。

posted by たんぽぽ at 22:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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