5月26日エントリの続き。
選択的夫婦別姓の実現のために、
「オンナコドモのことはくだらない」の人たちを
どう対処するかが重要という問題です。
この対処方法について引き続いて考えます。
ふたつ目の方法として、わたしが考えていることは、
ジェンダー政策の重要性、必要性を訴え、
世論を喚起するということです。
世論がジェンダー政策に関心を持つことで、
社会や政治が動けば「御の字」でしょう。
「オンナコドモのことはくだらない」という人が、
考え直すようになるかもしれないです。
一般の人が意識して世論を喚起し
社会を動かすのは、ほとんど不可能だと思います。
(有名人や社会的影響力のある人でも、
意識して世論を動かすのは、難しいでしょう。
動いても意に反する方向になるかもしれないです。)
すでに話題になっていることや、
話題になりそうなことについて
積極的に発言や行動をすることで情報を広め、
世論の関心を高めるくらいは、
一般の人でもできることだと思います。
「保育園落ちた」の匿名記事は、
ジェンダー問題に関して、草の根から政治を
動かしたひとつの例だと思います。
「絶望の中から希望が生まれた」
「絶望の中から希望が生まれた(2)」
「保育園落ちた」は匿名記事ながら、
問題意識を共有する多くの人が理解と共感を示し、
ネットを中心に話題になりました。
世論が喚起されることになり、
この匿名記事をめぐって多くの議論がなされました。
待機児童や保育士のおかれている
現状についての認識も広まったと思います。
野党ながら国会議員が注目し、
匿名記事を取り上げて、国会で質疑するにいたりました。
その結果、もうしわけ程度ながら
政府が政策として対応することになりました。
「保育園落ちた」はジェンダー問題ながら
政策が実行されるにいたるという、
具体的なかたちで政治を動かすにいたりました。
それでも、つぎの選挙で待機児童問題を
重要政策や選挙争点にするとまで明言した
政党や候補者はいなかったと思います。
ここにはやはり「オンナコドモのことは
くだらない」という意識が蔓延しているゆえに、
ジェンダー政策を大問題と考えない、
ということが考えられます。
「待機児童のことはたしかに大問題だし、
政策としてそれなりに必要だろう。
でも重要政策にするほどではないし、
選挙争点にするほどではない」というような
判断が働くものと思います。
「オンナコドモのことはくだらない」という
社会通念を解消するために、
ジェンダー政策の重要性を主張するのですが、
主張を理解されるには「くだらない」という
社会通念を解消する必要があるという、
「ジレンマ」におちいっていることになります。
「保育園落ちた」はジェンダー問題としては、
ほかに例がないくらい政治への影響力をおよぼし、
「クリティカル・ヒット」と思います。
それでもこのような「ジレンマ」の壁を
越えることはできなかったのでした。
ジェンダー問題に関して世論を喚起する
方法は効果的だし、今後も機会あるごとに
続けていく必要はあることでしょう。
それでも現状では限界があると、
言わざるをえないです。