根拠のないことを主張していた、
反中国レイシストで元刑事の坂東忠信氏が、
結婚後の苗字に関して妙なことを言っています。
簡単には「日本は夫婦どらちの苗字でも
選択できるから、夫婦別姓しか選べない
韓国、北朝鮮、シンガポールよりも
苗字の選択の幅が広い」と言いたいのでしょう。
夫婦別姓について、日本の場合、婿入り含め
— 坂東 忠信 (@Japangard) 2019年6月16日
@自分の姓+自分の名
A配偶者の姓+自分の名
の2つから選べて「夫婦別姓の自由なし」
韓国北朝鮮とシンガポールだけが結婚後も「自分の姓名」以外なく「夫婦同姓の自由なし」
愛し合う夫婦の自由がないのはどっち? https://t.co/37iVTRrXsQ
日本の場合、夫が自己の姓を選んだら、
妻は夫の姓を選ぶよりなくなります。
リンクしている記事と同じ書きかたとすれば、
「1. 自己あるいは配偶者の姓+自己の名」
となって、選択肢はひとつだけです。
記事中に選択的夫婦別姓が認められる前の
タイのケースが表中に出ています。
「1..自己の名+夫あるいは妻の姓」と
なっていて、選択肢はひとつの扱いです。
日本のケースもこれと同様ということです。
夫が自己の姓、妻の姓のどちらを選んでも、
妻は自己の姓、夫の姓のどちらでも選べるなら、
選択肢はふたつで2行になります。
日本の場合は、そうではないです。
しかも日本の場合96%のケースで
夫の姓が結婚後の苗字として選ばれます。
よって実質的には「1. 夫の姓+自己の名」の
一択だけと言っていいでしょう。
選択肢がひとつしかないも同然なのに、
あたかも選択肢がふたつあるかのように見せる
坂東忠信氏のツイートは、偏った印象を与えて
恣意的と言わざるをえないです。
坂東忠信氏のツイートからは、
むかし水島広子さんのサイトにあった、
選択的夫婦別姓に関する資料をリンクしています。
2018年4月3日エントリで、
わたしも紹介したことがあります。
「夫婦別姓 各国の状況は?」
このコンテンツには、掲載している国は
もっとたくさんあって、それらの多くは
夫婦別姓、夫婦同姓、結合姓を選べて、
結婚後の苗字の選択は、日本より広い国が
ほとんどだということはわかります。
それにもかかわらず、韓国、北朝鮮、
シンガポールしかツイートで取り上げないのは、
どういうことかと思います。
坂東忠信氏は、このような恣意的な資料の扱いで、
日本は名字の選択の幅が広いように
見せようとしていることになります。
はなはだ偏っているし、とても悪質だと思います。
坂東忠信氏は、資料をリンクして示すことで、
信頼できる情報源を調べてツイートしていると
思わせているのだから、なおたちが悪いです。
坂東忠信氏が偏った扱いをしていることは、
リンク先を見ればすぐにわかることです。
それでも実際には、ほとんどの読者は、
リンク先を読まないだろうと、
高をくくっているのもあるのかもしれないです。