2019年06月20日

toujyouka016.jpg 婚氏の選択の幅が広いように見せる

こないだ「夫婦別姓は帰属共感性を奪う」などと
根拠のないことを主張していた、
反中国レイシストで元刑事の坂東忠信氏が、
結婚後の苗字に関して妙なことを言っています。

簡単には「日本は夫婦どらちの苗字でも
選択できるから、夫婦別姓しか選べない
韓国、北朝鮮、シンガポールよりも
苗字の選択の幅が広い」と言いたいのでしょう。

 

日本の場合、夫が自己の姓を選んだら、
妻は夫の姓を選ぶよりなくなります。
リンクしている記事と同じ書きかたとすれば、
「1. 自己あるいは配偶者の姓+自己の名」
となって、選択肢はひとつだけです。

記事中に選択的夫婦別姓が認められる前の
タイのケースが表中に出ています。
「1..自己の名+夫あるいは妻の姓」と
なっていて、選択肢はひとつの扱いです。
日本のケースもこれと同様ということです。


夫が自己の姓、妻の姓のどちらを選んでも、
妻は自己の姓、夫の姓のどちらでも選べるなら、
選択肢はふたつで2行になります。
日本の場合は、そうではないです。

しかも日本の場合96%のケースで
夫の姓が結婚後の苗字として選ばれます。
よって実質的には「1. 夫の姓+自己の名」の
一択だけと言っていいでしょう。

選択肢がひとつしかないも同然なのに、
あたかも選択肢がふたつあるかのように見せる
坂東忠信氏のツイートは、偏った印象を与えて
恣意的と言わざるをえないです。


坂東忠信氏のツイートからは、
むかし水島広子さんのサイトにあった、
選択的夫婦別姓に関する資料をリンクしています。
2018年4月3日エントリで、
わたしも紹介したことがあります。

「夫婦別姓 各国の状況は?」

このコンテンツには、掲載している国は
もっとたくさんあって、それらの多くは
夫婦別姓、夫婦同姓、結合姓を選べて、
結婚後の苗字の選択は、日本より広い国が
ほとんどだということはわかります。

それにもかかわらず、韓国、北朝鮮、
シンガポールしかツイートで取り上げないのは、
どういうことかと思います。

坂東忠信氏は、このような恣意的な資料の扱いで、
日本は名字の選択の幅が広いように
見せようとしていることになります。
はなはだ偏っているし、とても悪質だと思います。


坂東忠信氏は、資料をリンクして示すことで、
信頼できる情報源を調べてツイートしていると
思わせているのだから、なおたちが悪いです。

坂東忠信氏が偏った扱いをしていることは、
リンク先を見ればすぐにわかることです。
それでも実際には、ほとんどの読者は、
リンク先を読まないだろうと、
高をくくっているのもあるのかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 23:31 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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