応援演説に来た自民党の議員が
「6年間の一番大きな功績は子どもをつくったこと」
などと言うという、驚くことがありました。
「自民党の三ツ矢憲生議員、現職の女性候補に向かって「6年間の一番大きな功績は子どもをつくったこと」」
「This woman's work but not this lawmaker’s」
女性候補は三重選挙区の吉川有美。
驚くべき応援演説をしたのは三ツ矢憲生衆院議員です。
三重県伊勢市で7月12日に行われた、
三重選挙区(改選数1)から立候補している
自民現職の吉川有美候補の応援演説に立った三ツ矢議員は
「この6年間で吉川有美は何をしてきたのか。
一番大きな功績は子どもをつくったこと」と持論を述べた。
三ツ矢議員は自民党の三重県連会長。
この6年間で吉川有美は何をしてきたのか。
一番大きな功績はですねぇ、子どもをつくったこと。
もちろん、人口が増えるってのもありますが、
本人はやっぱり子供を持って、母親になって、
自分の子供の寝顔を見ながら、自分の子供、自分の娘、
この子のために、この地域を、この国を、
いい国にしていきたい、いい地域にしていきたい。
そういう思いが芽生えてまいりました。
私は、そういう思いが政治の原点ではないかなと思っております。
そういう意味で、どうかこの一皮向けた
吉川をぜひご支援賜りたいと思います。
「女性のなすべき仕事は出産と育児」
「子どもを産んで女性は評価される」です。
女性はどんな仕事や活動をしていても、
子どもを持ったかどうかが評価の基準になる、
評価が優先されるということです。
候補者が男性であれば、子どもがいるかたでも、
こんなことは言わないでしょう。
ジェンダー差別と言わざるをえないです。
6年間の議員活動を評価するのですから、
議員としての活動を挙げる必要があります。
「子どもをつくったこと」なんて、
あきらかに議員としての仕事ではないことを
持ち出すのは、おかしなお話です。
「議員としてはたいしたことをしていない」と
暗に言っているようにも聞こえます。
議員というのは「子ども」ではなく法律を作ったか否か、
どんな法律を作ったかどうかで評価されるべき人たちだろう。
また、「母親になっ」たことが政治的に
どういう意味をもっていたのか。
「自分の子供の寝顔を見ながら、この子のために
いい国にしていきたい、いい地域にしていきたい。
そういう思いが芽生えてきた」というのは
何も言っていないに等しい。
「こどもを作ったこと」と言った三ツ矢憲生は、
おそらく有権者のこころを掴むうまいことを
言ったつもりなのではないかと想像します。
自民党の因習・反動的なジェンダー意識が、
この応援演説でまた現れたと思います。
「集まった聴衆から少し笑い声が聞こえる」のを
確認して、三ツ矢憲生はお話を続けたようなので、
「聴衆の受けはそこそこいい」と
判断したのかもしれないです。
実際にこれで心を掴まれる有権者も
おそらくそれなりの数いるのでしょう。
世間一般の中にも、このようなジェンダー意識は
蔓延しているということだろうと思います。
「最大の功績は子どもを作ったこと」なんて
応援演説で言われた当の吉川有美は、
どう思ったかと思います。
@YoshikawaYuumi
— utchie! (@utchie) 2019年7月13日
こんにちは。
吉川さんの党内のこの6年の評価は「子どもをつくったこと」だそうですが #女性 を代表する #女性議員 の立場として残念に思いませんか?#子育て #政策 #自民党2019 #参議院選挙 #三重県 #吉川ゆうみ
「わが意を得た」なんて思ったりして、
すでに内面化しているでしょうか?
それとも「なんでこんなことを言われるのか」と、
理不尽に思ったでしょうか?
理不尽だとか差別だと思っても、
その場ではなにも抗議できない状況です。
「応援演説ありがとう」という調子で、
愛想を振りまいておかなければならないわけです。
輪をかけて理不尽なことだと思います。
付記:
三重選挙区の選挙情勢(中盤)
参院選情勢報道 三重県(1人区) pic.twitter.com/ToRgxHh3I6
— 三春充希(はる)⭐2019参院選情勢情報部 (@miraisyakai) 2019年7月15日
応援演説に来た自民党の議員が
「6年間の一番大きな功績は子どもをつくったこと」
などと言うという、驚くことがありました。
こういう発言をする人々は、障害者の女性が出産したら「功績」どころか「過ち」って言うのでしょうか?
かつての日本政府は、障害者の方々に優生保護法を理由に強制不妊手術を受けさせ、一部の人に言わせれば「出産という功績」を積む機会を奪ったわけですから、手厚く補償しないといけないはずですよね。
(安倍政権は、一時金の支給とおわびの談話で、多少の手は打ったのですが)
しかし、強制不妊手術をめぐるヤフコメ欄では、こんな低劣なコメントが書かれていました。
「当時の価値観では仕方なかったんだから文句言うな」
「どうせ金目当て」
「弁護士の飯の種」
「優生保護法は正しかった」
「産む権利を主張するのはわがまま」
矛盾しまくりではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
>こういう発言をする人々は、障害者の女性が出産したら
残念ながら可能性はじゅうぶんあると思います。
家族やジェンダーに関して因習的な人が
「評価」する「子どもを作った女性」とは、
彼らが信奉する「家族イデオロギー」の
枠に収まっている必要があるからです。
戦後民法と高度経済成長期の
企業利益のために定着させた
「家族のありかた」を金科玉条のように守ることを
彼らは「信仰」にしているということです。
わたしがいつも書いていることですね。
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/religion/religion.html
障害者の女性が出産した場合、
おそらく彼らの「家族イデオロギー」の
「信仰」には合致しないと思います。
福祉予算がかさむと思って、
邪険に思う可能性さえあると思います。
同性愛者を「生産性がない」と言って、
福祉予算を投入することを渋る連中です。
障害者に対しても同様のことを言うことは、
じゅうぶん考えられることです。
http://taraxacum.seesaa.net/article/460759449.html
>矛盾しまくりではないでしょうか?
評価するのは彼らの「家族イデオロギー」に対する
「信仰」に当てはまったものだけ、と考えれば、
彼らの精神構造や思考構造は、
いちおうの「解読」はできます。