2019年07月19日

toujyouka016.jpg 非正規雇用の女性・高齢化と貧困

少し前ですが、7月8日の朝日新聞で、
「問う 2019参院選」という参院選向けの特集として、
非正規雇用の女性についてのコラムがあります。

2000万円問題をきっかけとして、
とくに現在未婚、非婚の非正規の女性が
高齢になったときの問題に焦点を当てています。

「(問う 2019参院選:2)非正規の女性、置き去りか 文化くらし報道部記者・高橋美佐子」
「(問う 2019参院選:2)非正規の女性、置き去りか 文化くらし報道部記者・高橋美佐子」(全文)

 
低賃金で雇用も不安定、ボーナスも
退職金もない非正規雇用です。
2000万円の貯金なんてとても無理です。
それで高齢になったとき、どうやって生活するのか
生活していけるのか、という問題です。

非正規雇用なんて結局は、安く買い叩ける
ていのよい労働力だったということだと思います。
「正直ものがばかを見る」という感じです。

そんな状況下、シングル女性を引きつけたのが
「派遣」という非正規の働き方だった。
当時は、自由度が高い、様々な会社を経験できる、
事務職の即戦力ともてはやされた。
正規雇用へのステップとも言われた。

移りゆく社会を、その時代のニーズに従い、
真摯(しんし)に生きてきた結果、
彼女はこうした状況に直面している。


「この10年で未婚・離婚の高齢女性の
4割近くが貧困に陥る」と警鐘を鳴らす」という
稲垣誠一氏の指摘は、以下だと思います。

「将来の高齢者の年金額シミュレーション分析」

約10年後の2030年には、高齢女性の貧困率は、
未婚、非婚ともに37-38%程度に
なっていることがわかります。
そしてこれはそのあともさらに
貧困率は高まることが予想されます。




非正規の女性をこれまでの政治は放置してきたことを、
コラムでは問題提起しています。

いま非正規で働く人は7割が女性だ。
だが、結婚せずに非正規で働き続ける女性たちを、
これまで政治は直視してきただろうか。

安倍政権が掲げる「女性活躍推進」でも、
正社員の管理職登用や、仕事と子育ての両立に光を当てる。
子どもがいない非正規のシングル女性を
後押しする政治の動きは、見えてこない。
彼女たちも「置き去りにされている」と感じている。

「オンナコドモは黙っていろ」
「オンナコドモのことはくだらない」という
ミソジニーに取り憑かれた人たちです。
ただでさえジェンダー政策なんて、
無視や軽視を続けてきたくらいです。

非正規雇用の結婚していない女性なんて、
なおさら見下して放置ではないかと思います。
眼前に大問題が広がっているのに、
「そんな問題は存在しない」とばかりに、
無視黙殺するのではないかと思います。



付記:

ジェンダー別の正規、非正規雇用の数と、
ジェンダー別の正規、非正規雇用の年収。

「男女別正規・非正規雇用の数」



「男女&雇用形態別年収分布」




付記2:

朝日新聞のこのコラムは参院選向けに、
7月7日から5回にわたって載せられたシリーズです。

ほかの回は憲法とか外交とか財政再建とか
「いかにも」な話題ばかりです。
2回目だけは非正規雇用の女性の将来という、
ジェンダー問題かつ市民の生活という、
異質な話題だったので、取り上げました。

「(問う 2019参院選:1)「嘲笑する政治」続けるのか 政治部次長・松田京平」
「(問う 2019参院選:2)非正規の女性、置き去りか 文化くらし報道部記者・高橋美佐子」
「(問う 2019参院選:3)くすぶる不安、「未来」に責任を 編集委員・原真人」
「(問う 2019参院選:4)首相の密談外交、見えぬ将来像 編集委員・藤田直央」
「(問う 2019参院選:5)憲法、議論迫る矛盾と危うさ 編集委員・国分高史」

posted by たんぽぽ at 22:25 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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