前回2016年の参院選と人数は同じです。
「参院選で、女性の当選者が過去最多に。増やしたのはどこの党?」
「<参院選>女性の割合22% 当選者最多タイ28人」
「参院選議席確定 女性は最多タイ」
「女性参院議員 最多56人」
全当選者に占める女性の割合は22.6%で、前回2016年の参院選の23.1%をやや下回りました。当選者数としては28人で、過去最高だった前回と同じでした。#日経ビジュアルデータ #参院選https://t.co/F15dh5VtLK pic.twitter.com/oO8Dase9GW
— 日経ビジュアルデータ (@nikkeivdata) July 22, 2019
2019年の女性当選者の割合は22.6%です。
前回2016年は23.1%で少し下回りました。
2016年と2019年とで女性当選者の人数は同じで、
定数が121から124に増えたことによります。
今回の当選者があとひとり多く29人いれば、
女性の割合も過去最高になっていました。
非改選分を合わせた参院全体では、
女性議員は56人、22.9%で過去最高です。
今回の参院選は、議員の候補者のジェンダー比が
できるかぎり均等になることを求める
「政治分野における男女共同参画推進法
(パリテ法)」が施行されて最初の国政選挙です。
それで女性候補者の当選が、
どれだけになるかが注目されるところでした。
28人で前回2016年と同数というのは、
不可ではないですが、いささかものたりない
というのが、わたしの思うところです。
政党別の女性当選者のうちわけは、
自民党10人がもっとも多いです。
これは当選者全体が57人と多いからで、
割合にすると17.5%と他党と比べて低めになります。
ついで多いのは立憲民主党の6人です。
当選者全体17人のうち35.2%が女性です。
2016年の民進党、2017年の立憲民主党のときと同様、
他党と比べて健闘しています。
特筆したいのは無所属の当選者9人のうち
4人が女性であり、野党統一候補の10人のうち
半分の5人が女性であることです。
上智大学の三浦まり教授(国際政治学)は、
「女性当選者の人数は前回と同じ
過去最多の28人ですが、内訳には変化が見られました」と
BuzzFeed Newsの取材に話す。
「与党が前回よりも女性候補者を減らす一方で、
野党が女性候補を男女均等に近い形で積極的に擁立しました」
「躍進したのは一人区における野党統一候補。
当選した10人は男女半々でした。
女性候補者が支持されている傾向はうかがえました。
これを教訓として、各党が次の衆議院議員選挙で、
女性をさらに擁立することを期待したいです」
前回の2016年の参院選もそうでしたが、
野党統一候補は女性当選者を
多く出しているということです。
あまり話題にならない野党共闘の効果と言えます。
2016年の参院選のときは、
わたしは次の引用をしていました。
上智大学教授の三浦まりさん(政治学)は、
「比例選の当選者数が10人前後と従来と変わらない中、
今回は選挙区選で躍進が際だった」と説明する。
特に1人区で、実力のある女性が野党統一候補となって
勝利したことが大きいという。
「勝てる女性が増えれば、手を挙げる女性も増え、
女性有権者も政治を身近に感じやすくなる
という好循環が生まれる」と話す。
付記1:
候補者がいなければ当選者はいない、
ということで各党の女性候補者の割合です。
各党の女性候補者の割合。 pic.twitter.com/a2yCpTFSeZ
— 松尾貴史「違和感のススメ」 (@Kitsch_Matsuo) July 19, 2019
野党各党はパリテ法を守って
どこも3割以上の候補者を女性にしています。
立憲民主党は女性候補者の割合を
4割以上にすることを目指すとしていましたが、
45%なので公約は守ったことになります。
「立憲民主党・女性候補者4割を目標」
これに対して自民党15%、公明党8%と
与党の女性候補者の少なさが目立ちます。
パリテ法は努力目標を定めたものであって、
義務付けるものではないですから、
女性候補者をぜんぜん立てなくても
違反にはならないです。
それでも自民と公明の少なさは、
女性候補者を立てる努力をろくにしていないことを、
うかがわせるものとなっています。
あまりにもお粗末というものです。
付記2:
コメントを引用した上智大学の三浦まり氏は、
女性候補者や女性当選者の話題になると
よくメディアからコメントを求められるので、
おなじみのかたもいると思います。
単純に女性の当選者が何人というだけでなく、
どんな当選者が増えたかといった
内容まで分析するので好感が持てます。