作用することを、問題視する記事です。
これはわたしもかねてから思っていました。
同様に問題だと思っているかたは、
少なくないのではないかと思います。
「参院選の「欠陥」に専門家は 仕組みを混合、かすむ民意」
「「小中選挙区混在は問題」 選挙の情勢「1人区で決まる」」(全文)
(はてなブックマーク)
1人区は、衆院選などで用いられている小選挙区と同じだ。
選挙の勝ち負けははっきりするが、「死票」も多い。
「参院選の結果は、1人区でほぼ決まる」と
菅原さんは指摘する。
地方に集中するため、自民党支持に
動くことが多いが、そうでない場合も
選挙の情勢を決定づけてきた。
2007年の参院選では、小沢一郎・民主党代表
(当時)が、農家の所得補償や高速道路の
無償化などを掲げ、1人区で大勝した。
菅原さんは「人口が減少していく地域向けの政策に、
重きを置きがちになる」と分析する。
神戸大教授(政治学)の砂原庸介さん(41)によると、
一つの選挙で小選挙区と中選挙区の双方を用いる
「小中混合制」は世界的にも非常に珍しい。
「地域によって少数派が代表されたり、
されなかったりすることが正当化される
理由はない」という。
1人区は小選挙区であり「勝者皆取り」です。
得票率が51対49でも、51の得票を得た
候補者だけが議席を取ります。
よって獲得議席の差がつきやすく、
「勝ち負け」がはっきりしやすくなります。
参院の1人区は衆院の小選挙区と違って、
比例復活がないです。
よって49の得票を得て惜敗した候補者は
それっきりで、救済する手段はないです。
そんな選挙区が、定数125のうち32もあります。
1人区でいくつ議席を取れるかが、
参院選全体の勝敗を決めるのは必然的です。
これまでを見ても、1人区で多くの議席を
獲得した政党・政治勢力が、
参院選全体の勝者となっています。
1人区は大部分の議席を自民党が取ると
決まっているようなところです。
立憲野党によって1人区が32もあるのは、
おおいなる負担となっています。
自民党は戦後ほとんどの期間において
与党であり続けたし、与党は野党より
支持率が高いのが一般的です。
それゆえ「勝者皆取り」の1人区のほとんど全部で
自民党が勝つのは、必然的になります。
参議院の1人区は増える傾向にあります。
地方の過疎化が進んで、都市部に議席を
回された地方県が、1人区となるからです。
人口の少ない2県をひとつの選挙区にする
「合区」も導入してはいます。
それでも地方の過疎化によって、
まだ1人区が増える可能性はあります。
ほかに一般的な問題として、
1人区は選挙全体の勝敗に大きく影響し、
かつ地方に多いので、人口の少ない地方向けの
政策を重視しやすくなることがあります。
また参院の1人区には比例復活もないので
負けた候補者に入った票は
すべて死票となり、少数派が代表に
なりにくくなる、という問題もあります。
リベラル・左派や反自民の中には、
ふたこと目には衆院の小選挙区反対、
小選挙区を廃止しろと言うかたたちがいます。
そのような彼らは、参院の1人区のことを
どう思っているのかと思います。
彼らは参院の1人区について、
なにか言うことはほとんどないようです。
とくに反対をしてないのでしょうか?
これまで見てきたように参院の1人区は、
参院選全体の結果に強く影響します。
勝者皆取りで比例復活がなく、
少数派に不利で、自民党に有利で、
しかもだんだん増える傾向にあります。
リベラル・左派や反自民のかたにとって
参院の1人区は脅威だろうと思います。
衆院の小選挙区より参院の1人区のほうを
もっと問題にしたほうがいいと、
わたしは思っているくらいです。