平成時代に育まれた政治思想のうち
「カイカク」について、お話ししたいと思います。
「カイカク」は、わたしが作ったことばです。
一般に定着している用語ではないです。
どういった政治思想を指しているかは、
次のエントリをご覧になるといいでしょう。
「大阪都構想・住民投票(2)」
「カイカクを支持する人たち」
「カイカク」とは、強いカリスマや指導力を
持った政治家や政治勢力が現れて
世の中を変えてくれることに期待する人たち、
およびそのような政治思想です。
政策の中身にはかならずしも関心がないです。
「どんな政策を実行するか」よりも、
「なにかを変えてくれる」という
「期待感」を持てるほうが大事ということです。
彼らは支持していた為政者や政治勢力に
期待できなくなると、わりと早く「失望」して、
べつの為政者や政治勢力に支持を移す傾向があります。
その結果「支持政党わたり歩き」をすることにもなります。
より具体的に言えば、2000年代前半は
コイズミカイカクに期待し、2000年代後半は民主党に期待、
民主党政権がほどなくして頓挫すると、
橋下・維新に乗り換えた人たちです。
「カイカク」は世代的には30-50代くらいが中心、
ジェンダーは男性が多いです。
まさしく平成時代にオトナとなり、
社会で活躍した(する)世代です。
「カイカク」の総大将とでも言える
橋下徹は2019年現在で50歳です。
世代的に「カイカク」の中心と言える
新人類と団塊ジュニアのあいだくらい、
というのが象徴的です。
若い頃サッチャーの改革に思想的影響を受けた世代ですね。あの頃のような高インフレではないのに。小泉改革を支持した中心世代。それが民主党に流れ、失望し、今橋下。 https://t.co/2OnAvGcYMR
— 秋田紀亜 (@akita_kia) 2015年5月12日
新人類から団塊ジュニア世代辺りまででしょうね。これはオタク第一・第二世代とかぶる。バブル潰し後の、長期デフレに適応せざるを得なかった失われた世代は、これに批判的なようです。https://t.co/dZpzLYSY7t
— 秋田紀亜 (@akita_kia) 2015年5月13日
当の橋下市長が御年45歳。https://t.co/w1TXfU6YG3
— るまたん (@lematin) 2015年5月12日
1969年生まれっていうことは、橋下さん、小中は「ソ連と共産主義の脅威」の元で育って、高校で冷戦終結、大学時代はバブルで、社会に出てから改革熱、30代で新自由主義一色…っていう世代だよなあ。
— るまたん (@lematin) 2015年5月12日
彼ら「カイカク」は、バブル崩壊以降の、
停滞した経済・社会状況を打破するために、
「強い」指導者、「強い」政治勢力が
現れることを期待したものと思います。
「あの人(たち)に任せれば解決する」
という存在を求めたのであって、
自分たちの力で社会を改善するという意識には、
とぼしかったものと思います。
1990年以降の衆院選の投票率の推移を見ると、
2005年と2009年だけ投票率が高いです。
これらはまさしくコイズミカイカク、
民主党政権と、「カイカク」が期待できる
政治家や政治勢力が現れたときです。
「あの人(たち)ならやってくれる」と
「カイカク」が思える為政者が現れたから、
彼ら「カイカク」が投票して、
投票率が上がったということなのでしょう。
1990年以降の衆院選の投票率の推移は、
「カイカク」が平成のオトナたちの
政治思想であることを、あらわしていると思います。