2019年08月04日

toujyouka016.jpg 平成時代の政治思想・カイカク

8月3日エントリの続き。
平成時代に育まれた政治思想のうち
「カイカク」について、お話ししたいと思います。

「カイカク」は、わたしが作ったことばです。
一般に定着している用語ではないです。
どういった政治思想を指しているかは、
次のエントリをご覧になるといいでしょう。

「大阪都構想・住民投票(2)」
「カイカクを支持する人たち」

 
「カイカク」とは、強いカリスマや指導力を
持った政治家や政治勢力が現れて
世の中を変えてくれることに期待する人たち、
およびそのような政治思想です。

政策の中身にはかならずしも関心がないです。
「どんな政策を実行するか」よりも、
「なにかを変えてくれる」という
「期待感」を持てるほうが大事ということです。

彼らは支持していた為政者や政治勢力に
期待できなくなると、わりと早く「失望」して、
べつの為政者や政治勢力に支持を移す傾向があります。
その結果「支持政党わたり歩き」をすることにもなります。

より具体的に言えば、2000年代前半は
コイズミカイカクに期待し、2000年代後半は民主党に期待、
民主党政権がほどなくして頓挫すると、
橋下・維新に乗り換えた人たちです。


「カイカク」は世代的には30-50代くらいが中心、
ジェンダーは男性が多いです。
まさしく平成時代にオトナとなり、
社会で活躍した(する)世代です。

「カイカク」の総大将とでも言える
橋下徹は2019年現在で50歳です。
世代的に「カイカク」の中心と言える
新人類と団塊ジュニアのあいだくらい、
というのが象徴的です。


彼ら「カイカク」は、バブル崩壊以降の、
停滞した経済・社会状況を打破するために、
「強い」指導者、「強い」政治勢力が
現れることを期待したものと思います。

「あの人(たち)に任せれば解決する」
という存在を求めたのであって、
自分たちの力で社会を改善するという意識には、
とぼしかったものと思います。


1990年以降の衆院選の投票率の推移を見ると、
2005年と2009年だけ投票率が高いです。
これらはまさしくコイズミカイカク、
民主党政権と、「カイカク」が期待できる
政治家や政治勢力が現れたときです。





「あの人(たち)ならやってくれる」と
「カイカク」が思える為政者が現れたから、
彼ら「カイカク」が投票して、
投票率が上がったということなのでしょう。

1990年以降の衆院選の投票率の推移は、
「カイカク」が平成のオトナたちの
政治思想であることを、あらわしていると思います。

posted by たんぽぽ at 12:18 | Comment(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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