2015年の大阪都構想の住民投票の
賛成と反対の割合を見ていると、世代間の差よりも、
顕著なものがあることがわかります。
それはジェンダー差です。
男性と女性とで賛成、反対の割合に差があります。
60代以上はジェンダー差はないですが、
50代以下になると差がはっきりします。
50代以下で男性は賛成が多くなり、
とくに30代は賛成が7割を超えています。
女性は40代以下の世代でも、賛成が55%、
反対が45%程度で、拮抗しています。
大阪都構想の住民投票における
投票率を世代とジェンダー別で見ると、
ほぼ全世代で、女性は男性より高いです。
女性は反対するために、積極的に投票所へ行き、
反対したかたが多い、ということだと考えられます。
女性に大阪都構想の反対が多いのは、
女性は男性より福祉や行政サービスを
利用する機会が多いからだと思います。
高齢層で反対が多いのと同様の事情です。
それゆえ自治体の権限縮小には警戒するのでしょう。
↓ああ、私も女性に反対が多かったんだな、っていう印象だった。積極的に支持してるの30代前後の男性ぐらいじゃん?っていう印象で、あのひとたちはいまの日本の社会では自分が強者であることを一番意識しないで済んじゃう層だからああなんだろうなーって。
— なつめ (@na2me321) May 20, 2015
その点女性は各年代で様々な形で自由や権利を抑圧されてるので、社会の仕組みが変わることのどういう部分によって自分が(さらに)損させられるか、ってことには良かれ悪しかれ敏感なんだと思うな。だからこういう傾向になったんじゃない?って思った。
— なつめ (@na2me321) May 20, 2015
大阪都構想に賛成する人たちというのは、
「政策に関係なく、なにか変えてくれそう
という期待感で支持する」という
「カイカク」のメンタリティの持ち主です。
かかるメンタリティは、変革によって
自分の生活や脅かされることが少ない、
社会的強者が持ちやすいものです。
それはジェンダーで言えば、
女性より男性が多いということです。
大阪都構想の住民投票以外で、
「カイカク」が動いたと考えられる選挙や投票で、
男性が女性より顕著に多かった例は、
ほかにあるかはわからないです。
ここでは「カイカク」は女性より男性に多いと、
いちおう考えておくことにします。