2019年08月14日

toujyouka016.jpg 大阪都構想・ジェンダー差に関心ない?

8月10日エントリの続き。

2015年の大阪都構想の住民投票は、
男性が女性より賛成が多いという、
ジェンダー差が大きいことをお話しました。

このジェンダー差について、くわしく検証している
記事を探してもほとんど見当らないです。
どういうことなのかと思います。

 
次のように賛成、反対の割合を見ると、
女性は反対が多いことが歴然としています。
また投票率も男性より女性が高いです。
大阪都構想は女性に反対が多く、
彼女たちは積極的に投票所へ行って
反対票を入れたと考えて、問題ないでしょう。





賛否の割合や投票率のジェンダー差は、
大阪都構想が否決される大きな要因と
なったのですから、あきらかに検証や考察の
対象にすることだと思います。


属性ごとの分析は、世代差について
検証した記事はたくさんあります。
辛坊治郎氏が大阪都構想に賛成の立場から
高齢者をdisったので、反証が必要になった、
ということもあるとは思います。

ところがジェンダー差について
くわしく分析した記事を書いているかたは、
なぜかいらっしゃらないです。


以下の記事もジェンダー差については、
「女性は行政サービスに多く頼るから
自治権縮小に敏感」という主旨のことを
ひとこと述べているだけです。

「大阪都構想の住民投票で明らかになったのは「シルバーデモクラシーの威力」ではなく「若者の浅はかさ」」

個人的には、↑こういう評価が適切であるように思う。
男性より女性のほうが反対に傾いていたのも、
子育てなどで自治体との関わりが深いからじゃないかな。

以下の記事は、投票率のジェンダー差を
図示したものを載せています。
それでも「大阪都構想が否決になったのは、
若者が投票しないからだと言うなら、
男が投票しないからだとも言える」と、
述べているだけです。

「大阪市が出した特別区住民投票の年代別投票率を考察してみた」

今回の住民投票では「シルバー世代ガー」って
よく言われてましたけど、このグラフと投票結果の
賛成率が49.62%という僅差を考えれば、
「男が投票に行かなかったら負けたんだよ!」
というのも一つの側面ですね。
若者が投票に行かないのではなく、男が投票に行かない。
ここも次回以降の改善ポイントですね。


世代差については、みなさん関心が回るのに、
ジェンダー差にはほとんど関心を
持たないのは、なぜなのかと思います。

ひとつ考えられるのは、例によって
「オンナコドモのことはくだらない」という
「政治的ミソジニー」ではないかと思います。
くだらないと思っているから関心がない、
もしくは関心を持たないようしている、
ということです。

結果に影響した有権者の投票行動に
関心を持たないのは、有権者から投票されることで
議席を得る議会制民主主義の運営
という観点から大問題であることは、
言うまでもないと思います。



付記1:

大阪都構想の投票結果のジェンダー差に
世論の多くが関心を持たなかったことで、
よかったこともなくはないです。

もしジェンダー差に関心が向いていたら、
とくに大阪都構想の賛成派から、「女叩き」発言が
飛び出てきたことが、考えられるからです。

おそらくミソジニーむきだしであろう、
胸糞の悪くなるもの言いを聞かずに
すんだことは、よかったと思います。



付記2:

大阪都構想の結果のジェンダー差について
くわしく考察している記事があったら、
教えていただけたらと思います。
わたしが知らないだけかもしれないからです。

posted by たんぽぽ at 06:16 | Comment(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 大阪都構想・ジェンダー差に関心ない? web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]