2015年の大阪都構想の住民投票は、
男性が女性より賛成が多いという、
ジェンダー差が大きいことをお話しました。
このジェンダー差について、くわしく検証している
記事を探してもほとんど見当らないです。
どういうことなのかと思います。
次のように賛成、反対の割合を見ると、
女性は反対が多いことが歴然としています。
また投票率も男性より女性が高いです。
大阪都構想は女性に反対が多く、
彼女たちは積極的に投票所へ行って
反対票を入れたと考えて、問題ないでしょう。
賛否の割合や投票率のジェンダー差は、
大阪都構想が否決される大きな要因と
なったのですから、あきらかに検証や考察の
対象にすることだと思います。
属性ごとの分析は、世代差について
検証した記事はたくさんあります。
辛坊治郎氏が大阪都構想に賛成の立場から
高齢者をdisったので、反証が必要になった、
ということもあるとは思います。
ところがジェンダー差について
くわしく分析した記事を書いているかたは、
なぜかいらっしゃらないです。
以下の記事もジェンダー差については、
「女性は行政サービスに多く頼るから
自治権縮小に敏感」という主旨のことを
ひとこと述べているだけです。
「大阪都構想の住民投票で明らかになったのは「シルバーデモクラシーの威力」ではなく「若者の浅はかさ」」
個人的には、↑こういう評価が適切であるように思う。
男性より女性のほうが反対に傾いていたのも、
子育てなどで自治体との関わりが深いからじゃないかな。
以下の記事は、投票率のジェンダー差を
図示したものを載せています。
それでも「大阪都構想が否決になったのは、
若者が投票しないからだと言うなら、
男が投票しないからだとも言える」と、
述べているだけです。
「大阪市が出した特別区住民投票の年代別投票率を考察してみた」
今回の住民投票では「シルバー世代ガー」って
よく言われてましたけど、このグラフと投票結果の
賛成率が49.62%という僅差を考えれば、
「男が投票に行かなかったら負けたんだよ!」
というのも一つの側面ですね。
若者が投票に行かないのではなく、男が投票に行かない。
ここも次回以降の改善ポイントですね。
世代差については、みなさん関心が回るのに、
ジェンダー差にはほとんど関心を
持たないのは、なぜなのかと思います。
ひとつ考えられるのは、例によって
「オンナコドモのことはくだらない」という
「政治的ミソジニー」ではないかと思います。
くだらないと思っているから関心がない、
もしくは関心を持たないようしている、
ということです。
結果に影響した有権者の投票行動に
関心を持たないのは、有権者から投票されることで
議席を得る議会制民主主義の運営
という観点から大問題であることは、
言うまでもないと思います。
付記1:
大阪都構想の投票結果のジェンダー差に
世論の多くが関心を持たなかったことで、
よかったこともなくはないです。
もしジェンダー差に関心が向いていたら、
とくに大阪都構想の賛成派から、「女叩き」発言が
飛び出てきたことが、考えられるからです。
おそらくミソジニーむきだしであろう、
胸糞の悪くなるもの言いを聞かずに
すんだことは、よかったと思います。
付記2:
大阪都構想の結果のジェンダー差について
くわしく考察している記事があったら、
教えていただけたらと思います。
わたしが知らないだけかもしれないからです。