2019年08月22日

toujyouka016.jpg ネット選挙の効果・れいわの議席獲得

7月21日の参院選比例区の得票と、
ネットの利用との関係を調べた記事があります。
これを見てみたいと思います。

「れいわと自民、図抜けたSNS戦略 拡散力生かし票に」
「SNS上の話題 各党明暗 著名人も投稿 れいわ拡散力/ 既存野党は苦境」(全文)

 
この図はネットの利用の程度として、
ツイッターの投稿数の割合を示しています。
もっとも多いのは党員、支持者が多く、
物量でまさっている自民党です。
全政党の30.7%を占めています。




注目するのはやはりれいわ新選組です。
ツイッターの投稿数の割合は、政党全体の17.8%、
小政党ながら自民党の半分以上です。
近年ネットの利用に力を入れている
共産党の16.5%よりも上回っています。

異色の存在がれいわだ。
山本太郎氏が4月立ち上げたばかりで、報道も少なめ。
既存の政党に組織力や知名度で劣る分、
ネットでの発信に注力した。

「#新宿センキョ」「#れいわ祭」などを
次々に「トレンドワード」入りさせた。
「金をかけなくてもトレンドの
1位に上げることができる」。
街頭演説で山本氏はこう呼びかけた。
拡散力を持った著名人ら「インフルエンサー」による
相次ぐ投稿も奏功した。

知名度や組織力で他党からずっと遅れを
取っていたれいわですが、
ネットの発信に力を入れることで
比例で2議席を取ることができたのでした。

れいわ新選組は40代からの支持が
もっとも多く、若年層に広がっています。
これはネットの情報発信に力を入れたので、
ネットをよく利用する層から支持を得られた、
ということだと考えられます。







もうひとつ、ツイッターでの露出は少なかったですが、
YouTubeでさかんに情報発信することで、
「NHKから国民を守る党」も
比例で1議席を獲得しています。

れいわとN国は、議席数は小規模とはいえ、
ネットによる情報発信によって、
議席を取ることができたのでした。
そしてこれら両党はネットがあって
はじめて議席を取れた政党でもあったと思います。


一般に選挙は足で地道に選挙区を回る
「どぶ板」選挙がもっともものを言うのが相場です。
ついで大量の人員や組織票を動員できる
組織を持っていることが大きいです。

参議院の比例区という全国1区の
広大な選挙区では、「どぶ板」選挙や組織力を
利用する選挙は、効果が弱くなります。
そこへネットという拡散力の強いメディアが、
効果を発揮することができたわけです。


ネットを利用した選挙活動は、
ネットが普及したころから、政治問題に関心のある
ネットユーザが夢見ていたと思います。

これまでは、従来からの「どぶ板」選挙や
組織の選挙にくらべたら、ネットの力は
しょせん微々たるものであり、
ほとんど顧みられなかったのでした。

2019年の参院選になってようやく
ネットの活動で議席が取れる程度に、
ネットが選挙に影響するようになったということです。


効果的なのは全国1区の参院の比例だけで、
それもたかだか1-2議席得られる程度では、
選挙におけるネットの力は
たいしたことないと言えるかもしれないです。

それでもネットを利用した選挙は、
まだ始まったばかりと言えます。
開拓する余地はこれからたくさんあるでしょう。

衆院でも選挙区が広い比例区であれば、
一定の効果が出るようになると思います。
ネットの選挙活動で議席を得られるようになる
可能性はまだまだあるでしょう。

posted by たんぽぽ at 22:29 | Comment(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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