国連人口部の調査結果の報告書を見ると、
今後10年間で日本は移民が純増となり、
人口の自然減少を少し相殺すると予測しています。
「世界人口推計2019年版:要旨 10の主要な調査結果(日本語訳)」
「世界人口の増大が鈍化、2050年に97億人に達した後、 2100年頃に110億人で頭打ちか」
一部の国では、国際移動が人口変動の大きな要因に
2010年から2020年にかけ、14の国と地域で
移民が100万人を超える純増となる一方、
10カ国では、これと同規模の移民流出が生じるとみられます。
最も大規模な移民流出の中には、移民労働者に対する需要
(バングラデシュ、ネパールおよびフィリピン)、
または、暴力や治安悪化、武力紛争
(ミャンマー、シリア、ベネズエラ)を
主因とするものがあります。
ベラルーシ、エストニア、ドイツ、
ハンガリー、イタリア、日本、ロシア連邦、
セルビアおよびウクライナでは、
この10年間で移民が純増となり、
死亡率と出生率の差によってもたらされる人口減少が
部分的に相殺される見込みです。
これはわたしには意外でした。
日本は移民をたいして受け入れていないし、
今後も受け入れないように思われるからです。
統計に現れる程度に、人口の自然減少を
相殺するほどの移民の増加が、
今後10年間の日本にあるのか?と思います。
近年の日本の在留外国人の推移は、
リーマン・ショックの影響が出た
2009年-12年のあいだは減っていますが、
2013年以降は増え続けています。
在留外国人の数は2016年末で238万人、
2018年6月には264万人になっています。
増加のペースも速くなっています。
「在留外国人 最多238万人…永住者、20年で10倍」
2015年の1年間に受け入れた移民の数は、
日本はOECD加盟国中4位です。
OECD加盟国なら日本は下位のほうだと
思っていたら、意外にも移民大国でした。
「「移民流入」日本4位に 15年39万人、5年で12万人増」
日本の在留外国人の数は総人口の2%強なので、
ほとんどいない印象なのでしょう。
国際的に見れば日本の移民数は多いほうですし、
今後もまだまだ増加が続くことが予想されます。
国連人口部の調査も、こうした日本の現状を
かんがみて「移民の流入が人口の自然現象を
少し相殺する」と、予測したものと思います。
(移民問題や外国人問題にくわしいかたには、
今回の国連人口部の予測は、意外性のないこと
なのかもしれないです。)
付記:
国連人口部の移民数と移民の割合の推移
(過去の推移と将来予測)の国際比較です。
日本と報告書で名前が出ているイタリアなど
いくつかの国、そしてヨーロッパの主要国
イギリス、フランス、ドイツと、アメリカ合衆国です。