2019年09月01日

toujyouka016.jpg 非正規の女性も結婚に消極的(2)

8月31日エントリの続き。

女性でも無業や非正規雇用の人は、
正規雇用の人より結婚に対して
消極的になるという指摘についてです。

「非正規・無職の女性たちをずっと無視してきた「日本社会の罪」」

 
前回は現在交際していないかたの場合、
交際や結婚の希望が雇用形態に依存すること、
それは男性も女性も同様で、ジェンダー差が
ほとんどないことを見たのでした。

今回は交際している相手がいるかたの
ケースを見てみることにします。
交際相手がいるかいないかで、結婚に対する積極性が
変化することが考えられるからです。

データは前回同様、内閣府経済社会総合研究所の
意識調査を見ることにします。

「少子化と未婚女性の生活環境に関する分析
〜出生動向基本調査と「未婚男女の結婚と仕事に関する意識調査」の個票を用いて〜」



はじめに現在交際している人と直接関係のない、
一般的な結婚についての考えかたです。



ジェンダー・雇用形態に関係なく、
「いずれ結婚するつもり」は
「一生結婚するつもりはない」より
はるかに割合が高くなっています。

一般的な結婚観を訊かれていると言っても、
現在交際している相手がいることは、
強く意識されるものと思います。


雇用形態別に見ると、「結婚するつもり」は
男女ともに「正規>非正規>無業」、
「結婚するつもりはない」は、
やはり男女とも「正規<非正規<無業」です。
結婚に対する積極性が雇用形態に
依存することがはっきりしています。

男女で数値の差があまりないことも
注意することだと思います。
交際相手がいても、結婚の積極性が
雇用形態に依存するのは男性も女性も同様
ということが、ここでもあらわれています。


つぎに現在交際している相手との
結婚についての考えかたを見てみます。
交際している相手が「友人」の場合、
「結婚したいと思っている」は
男女とも雇用形態の依存はほとんどないです。

「結婚は考えていない」になると
男女とも「正規<非正規<無業」になります。
数値は全体的に男性のほうが
女性より大きく、また雇用形態依存も
男性のほうが強くなっています。




交際している相手が「恋人」の場合、
「結婚は考えていない」は男女とも
雇用形態の依存はあまり見られないです。

「結婚したいと思っている」は
女性は雇用形態依存はあまり見られないです。
男性は雇用形態依存がはっきりあって
「正規>非正規>無業」です。

現在交際している相手との結婚という
かなり具体的、現実的なレベルになると、
男性のほうが雇用や収入が安定することで、
結婚に積極的になることになるようです。


最初の記事の問題提起は、女性でも雇用や
収入が不安定だと、結婚や子どもを持つことに
消極的になること、そしてそれがこれまでは
あまりかえりみられなかったことです。

未婚率の上昇や出生率の低下に関して、
男性だけ生活の不安定が問題にしがちな
理由として、雇用や収入が安定することで、
現在交際している相手との結婚に
積極的になるのは男性のほうが顕著
ということも、あるのかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 23:03 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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