2019年09月03日

toujyouka016.jpg 夫婦別姓の世論調査・マリッジステート

2018年2月に内閣府の「家族の法制に関する
世論調査」
が発表されました。
選択的夫婦別姓に関する調査です。

「家族の法制に関する世論調査」
「2.選択的夫婦別氏制度の導入に対する考え方」

この調査は、ジェンダー、世代以外にも
さまざまな属性ごとにわけた数値も出しています。
今回はマリッジ・ステート別の
調査結果を見てみたいと思います。

 
マリッジステートは、「既婚」
「パートナーと暮らしている」
「離別」「死別」「未婚」の5区分があります。
同棲を未婚と区別しているのはていねいです。

事実婚のかたは「既婚」「パートナー」の
どちらに入るのかが気になります。
回答者の判断にゆだねているのかもしれないです。
そうだとすると、事実婚のかたは
「既婚」「パートナー」の両方に
わかれて入っていることになります。


(9)の選択的夫婦別氏制度の是非を見ます。
賛成は「パートナー」「未婚」で多く、
それぞれ52.7%、49.2%でほぼ半数です。
反対も「パートナー」「未婚」が少なく、
それぞれ18.2%と17.7%で2割に満たないです。

結婚がこれからというかたは、
結婚で苗字が変わる不利益が大きいので、
選択的夫婦別姓に賛成するかたも、
多くなるということなのでしょう。




「既婚」「離別」は賛成の割合が
やや下がって、それぞれ42.0%と43.2%です。
反対の割合はやや高くなって、
「既婚」「離別」でそれぞれ30.5%と28.0%です。

これは回答者に男性もいるので、
妻に改姓させて夫婦同姓となって
安定している(いた)男性に反対のかたが、
ある程度多くいるためではないかと思います。

それでも「既婚」も「離別」も、
選択的夫婦別姓に賛成のかたは、
反対のかたよりずっと多く、全体の平均
(賛成42.5%、反対29.3%)に近くなっています。

(既婚者が回答者全体の7割程度なので、
既婚者の割合が全体の割合に
大きく寄与するものと思います。)


「死別」だけは選択的夫婦別姓に
賛成は28.5%、反対派46.6%で
反対が賛成を大きく上回っています。

これは回答者に高齢者が多いためと思われます。
反対が多いのは「死別したから」というより
「高齢者だから」ということです。



次に選択的夫婦別姓に「賛成」と
答えたかたに、夫婦別姓を選択するかを
訊いた設問の回答を見ていきます。

「希望する」がもっとも多いのは
やはり未婚で28.6%です。
結婚がこれからなので、結婚改姓の不利益が
大きくなるからだと考えられます。
未婚で「希望しない」は33.9%です。




「離別」も希望の割合は「未婚」と
ほぼ同じくらいで、「希望する」は26.3%です。
「希望しない」は28.1%でやや少なく、
「どちらとも言えない」は45.6%で、
やや多くなっています。

これらのかたたちは、結婚や離婚に
ともなう改姓を経験しているので、
その負担に苦労したかた(女性)が多く
夫婦別姓を希望するか、もしくは選択する可能性を
考えているものと思います。


「既婚」で夫婦別姓を希望するかたは
18.0%と少なく、希望しないかたは52.7%と
5つのカテゴリ中最多となっています。

これは妻に改姓させて夫婦同姓で安定という
男性が回答していることもあると思います。
女性でも結婚改姓して時間が経つので、
旧姓に戻すとかえって不利益が
生じることもあると考えられます。


「パートナーと暮らしている」のかたは、
夫婦別姓を「希望する」は12.1%と
5つのカテゴリ中、なぜか最小となっています。

ところが「希望しない」は32.8%で
「未婚」のかたとほぼ同じくらいです。
そして多いの「どちらとも言えない」で、
51.7%と半数以上です。

パートナーがいる場合、非改姓結婚を
希望していても、実際に結婚するとなると
どうするかわからないと判断が
流動的になるものと思います。

この流動的なかたが男性と女性の
どちらに多いかが気になります。
調査だけではわからないです。

posted by たんぽぽ at 22:51 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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