当選が多く、だいぶ健闘することになりました。
新聞社の出口調査から、彼女たちは女性有権者から
多くの票を得ていることがわかっています。
「男女「均等」なお遠く 現職多い自公、女性割合低く」
「「自分たちの問題」有権者に響いた」
「激戦の1人区で競り勝った女性候補たち 押し上げた票は」
(はてなブックマーク)
記事に出ている図に、石垣のりこ(宮城)、
寺田静(秋田)、打越さく良(新潟)の
得票率が示されています。
30代だけですが、3候補者とも男性より女性から、
ずっと多く票を得ているのが一目瞭然です。
グラフの右に文章だけですが、
ほぼすべての年代で、女性は野党統一候補の
女性候補に多く投票と記述があります。
打越さく良に関しては、記事本文でもう少し
くわしい得票率分析の記述があります。
20代で打越さく良に投票した人は、
男性32%、女性64%で、ポイント数で
女性は男性の2倍というのは驚異的です。
野党統一候補となった無所属新顔の打越さく良氏(51)が、
3選をめざした自民党男性現職を破った新潟選挙区。
朝日新聞が投開票日の21日に行った出口調査によると、
男性で「打越氏に投票した」と答えたのは
半数未満だったのに対し、女性では54%に上った。
年代別でみても、70歳以上を除く各年代で
女性票は打越氏に集まっていた。
20代で打越氏に投票したと答えた
男性が32%なのに対し、女性は倍の64%。
30代は男性34%、女性56%、
40代は男性43%、女性56%だった。
なぜ女性有権者から票を得られたかは、
女性の問題や生活の問題を訴えたからだとあります。
「子どもを抱えた女性から『頑張って』と声をかけられ、
女性からたくさん握手を求められた」。打越氏はこう振り返る。
弁護士として、医学部入試の女性差別やDV、
児童虐待などの問題に取り組んできた。
高校生の息子を持つ母でもある。
選挙期間中、子ども食堂を視察したり、
若い女性と少人数で話し合ったりする機会をつくり、
女性が抱える問題に向き合おうと心がけてきたという。
8月30日エントリでご紹介した、
秋田選挙区で当選した寺田静も、
やはり生活の問題、女性の問題を訴えて
有権者の支持を集めたのでした。
「参院選 ・選挙区の結果・秋田」
「野党共闘は「秋田モデル」に学べ 蟻が巨象倒した共感の力」
5歳の長男を子育て中の寺田氏が
打ち出したのが母親目線と生活者目線。
幼い頃の経済的苦労や高校中退などの経験を打ち明けた上で、
苦しい境遇の人たちの声に耳を傾けて
政治に反映させたいと訴えたのだ。
「生い立ちの話が共感を呼びました。
大企業・富裕層や大都会優先の安倍政権が続く中で、
かつての静さんのような苦しい境遇で悩んでいる人は少なくない。
『同じ当事者だ』『彼女の言葉に癒やされた』
といった声をよく聞きました。
政党色を出さずに、安倍政権にいじめられている
県民代表とアピールし、安倍政治を変えようと
呼びかけることが重要です」
このあたりについて、三浦まり教授による
短いコメントがあります。
http://lacrima09.web.fc2.com/figs2/female-vote.html
最近では夫婦別姓やワンオペ育児など、
課題や悩みにぶつかり、政治を変えるしかない
というやむにやまれぬ思いから
女性が立候補するようになってきた。
その思いが「自分たちの問題だ」と
女性の有権者に響いて、支持が集まったのだろう。
少し前から、生活の課題、女性の課題を訴える
女性候補者が手を上げるようになってはいました。
最近になってようやく有権者が
そうした女性の候補者たちを「自分たちの課題を
解決する候補者」と考えるようになり、
支持するようになってきたのでしょう。
三浦まり氏によるコメントの、
最後のくだりは大事だと思います。
女性候補を擁立すると女性票を掘り起こす。
今回、その兆しがみえてきたことで、
政党も次の選挙に女性候補を
擁立しようという流れになっていく。
有権者が女性候補者を支持するから、
政党も女性候補者を立てるようになり、
女性の課題や生活の課題が解決するように
なっていくことになります。
「有権者は自分にふさわしいレベルの
政治家を持つ」ということです。
最後に「自分たちの生活の課題を
訴えている」と考えて、女性候補者に投票した
有権者は30代を中心に、若年層に多い、
ということを指摘しておきます。
女性票が動いたのは新潟だけではない。
与野党とも女性を擁立した福島を除いて、
女性候補が男性候補を破った
宮城、秋田、滋賀、三重、愛媛を含む6選挙区では
いずれも、与野党を問わず女性候補が
女性有権者から厚い支持を受け、
特に30代で女性票が手厚かった。