投票率の低下と無党派の増加をもたらした
平成時代の政治思想はどんなだったのか、
というお話の続きです。
「投票率の低下と無党派の増加、そして平成の政治思想」
これまでは「カイカク」についてお話しました。
今回から「ネトウヨ」のお話をしたいと思います。
「ネトウヨ」については、ネットで多少政治的な
話題にかかわっているかたなら、
あちこちでお眼にかかる存在です。
議論や考察も多くなされているし、
わたしよりくわしいかたも多いと思います。
ここでは「ネトウヨ」をなぜ平成時代の
「落とし子」であると、わたしが考えるかについて、
お話することにします。
「ネトウヨ」の存在がはっきり見えた選挙は、
2014年の東京都知事選だと思います。
田母神俊雄に投票した有権者が
ほぼ「ネトウヨ」とみなせるからです。
東京都知事選の各候補者の世代別の
得票数は次のようになっています。
田母神俊雄に投票した有権者が
もっとも多いのは40代、ついで30代です。
一般性のある話なので再掲しておきますが、パーセンテージにそれぞれの獲得した総票数をかけて、票数を定量的に比較するとこういう風になります。
— はとほるちゃん (@hathol_chan_) February 10, 2014
60台70台のジジイババアに比べれば20代の浮動票なんてのはノイズ pic.twitter.com/J1NzKq2XhV
「ネトウヨ」なんてすべての世代に
存在するのですが、とくに多いのが
2014年時点で30-40代、つまり団塊ジュニアと
その前後あたりの世代になります。
団塊ジュニアとその前後の世代は、
冷戦が終結し、バブル経済がはじけた
平成時代になってから社会に出て活躍し、
有権者となった世代です。
「投票率の低下と無党派の増加」
それゆえ「ネトウヨ」は平成の政治思想であり、
「ネトウヨ」をやっている人は平成時代の
「落とし子」と言うことができると思います。
「ネトウヨ」は高校生とか中学生とか
社会経験の少ない時期に、小さい子どもが
「はしか」に感染するようにかかると、
考えられることが多いと思います。
20代にかぎると、田母神俊雄の得票数は、
舛添要一の得票数に迫っています。
それゆえ20代という若年層に
「ネトウヨ」は多いというイメージは、
いちおう妥当ということになります。
絶対数を見れば、20代で田母神俊雄に
投票した人たちは、30代、40代の半分もないです。
社会経験の少ない若造の「ネトウヨ」なんて、
団塊ジュニアとその前後世代の「ネトウヨ」より、
圧倒的に少ないと言えます。
2014年の東京都知事選は、
「ネトウヨ」が多い世代はどこかなのかを、
広く認識させることに役だったと思います。