参院選の直前に書かれた、選択的夫婦別姓についての、
ブルームバーグの記事を見てみます。
「「変われない日本」、参院選で占う選択的夫婦別姓の行方」
「Women in Japan Fight for Their Identity − Starting With Their Name」
日本語の記事を見ると、選択的夫婦別姓の
反対派議員として、自民党の青山繁晴参院議員の
コメントが載せられています。
青山繁晴はなんと「女性の姓に合わせる場合も
日本に結構ある」などと言っています。
自民党の青山繁晴参院議員は16日のインタビューで
姓の在り方はその国の「伝統」に由来するとし、
夫婦別姓制度の導入について「伝統を大事にする場合は、
少なくとも法制度化することはない」と否定的な見解を示した。
「女性の姓に合わせる場合も日本に結構ある」とし、
現行の民法が「女性差別というのは誤解」と語った。
妻の苗字を選ぶケースは、少しずつながら
増加を続けているとはいえ、2015年で4.0%です。
そこから4年経過した2019年の現在でも、
男性が改姓するケースは5%はないと思います。
「平成28年度人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況」
4%程度でどこが「結構ある」のかと思います。
妻の苗字を選ぶケースはほとんどなく、
結婚したら女性が改姓して夫の苗字を選ぶと
決まっていると言ってよいレベルです。
自民党の青山繁晴参院議員が「女性の姓に合わせる場合も日本に結構ある」と発言されたそうだけど、4%を結構って思うの、なかなかじゃない? ご自身の感覚は否定しないけど、どちらも変えられる前提でこの数値って、一般的な読み方としては「あるにはある」とか「なくはない」とかじゃない? https://t.co/L4pmvCS9wF
— ねこむらねっこ (@nekomuranekko) July 19, 2019
選択的夫婦別姓が認められているドイツでは、
妻の苗字を選んで夫婦同姓のケースは6%です。
ドイツで男性が改姓するケースも
「結構ある」とは思えないですが、
日本はそのドイツより少ないです。
何か大きな勘違いをされているようなので、南ドイツ新聞の昨年の記事をつけておきますね。過去5年間の調査結果では、夫婦別姓は12%です。https://t.co/psLjqCEXks
— nana/選択的夫婦別姓・全国陳情アクション (@nana77rey1) 2019年7月30日
ドイツでの姓の選択状況
・75%:夫の姓
・12%:夫婦それぞれ名前を変えない別姓
・ 8%:複合姓
・ 6%:妻の姓 pic.twitter.com/wlNIaWFpzP
青山繁晴はドイツで婚氏に女性の苗字を
選ぶケースも「結構ある」と言うでしょうか?
青山繁晴はなぜに婚氏として
女性の苗字を選ぶケースが「結構ある」と
思っているのかと思うところです。
男性が改姓するのは珍しいので、
印象に残りやすいことが考えられます。
それでたくさんあるような気がするという、
認知バイアスがかかるということです。
政治家の場合、政略結婚で妻の苗字を
選んで男性が改姓することも
一般のケースよりは多いみたいです。
その感覚で「女性の苗字を選ぶことも結構ある」と、
思っているのかもしれないです。