各政党ごとの、選択的夫婦別姓に対する
賛成、中立、反対の候補者の割合についてです。
今回も自民党を見ていきたいと思います。
「夫婦別姓、自民党内で反対派が半分以下に 朝日東大調査」
「夫婦別姓、自民党内で反対派が半分以下に 朝日東大調査」(全文)
(はてなブックマーク)
自民党は最近の5年間で選択的夫婦別姓に
「反対」の候補者が急速に減りました。
自民にも変化が見える。
2014年衆院選では賛成派は9%しかおらず、
反対派は65%を占めていたが、
16年参院選、17年衆院選では
ともに反対派が4割台に減少し、中立が4割台に増加。
今回は反対派が3割を切り、多数派は「どちらでもない」と
答えた中立で53%に達した。
「反対」が減ったことにともなって、
「賛成」も増えているけれどわずかであり、
増加が大きいのは「中立」ということは、
注意が必要ではないかと思います。
本心では選択的夫婦別姓に反対したいけれど、
はっきり言うとはばかられるので、
立場を隠して「中立」と答えている候補者も
少なくないことが考えられるからです。
そうだとすると候補者アンケートで
「反対」が減って「中立」が増えたと言っても、
選択的夫婦別姓に反対の候補者は
実質的にはたいして減っていないことになります。
夫婦別姓、自民党内で反対派が半分以下に 朝日東大調査 - 2019参議院選挙(参院選):朝日新聞デジタル反対派は減ったけど、増えたのは主に「中立」なので、「隠れ反対派」になっただけの気もする。(隠れなきゃいけなくなっただけでも大きな変化ではあるけれども)
2019/07/19 07:37
選択的夫婦別姓に反対する候補者が、
その立場を隠すようになっただけでも、
状況はよくなったと言えると思います。
選択的夫婦別姓に反対するというのは、
それだけ「うしろめたい」ことになったからです。
「うしろめたい」状況になったのは、
裁判闘争によって選択的夫婦別姓に対する理解を
世論のあいだに広めたからであろうことは、
前のエントリでお話したことです。
この候補者アンケートを実施している
谷口将紀教授のつぎのコメントは意味深です。
谷口教授は自民の変化について
「党として許容できる範囲の中で、
世論を意識した動きと言えるだろう」と話す。
内閣府の世論調査によると12年では賛否はほぼ同数だったが、
17年に賛成43%、反対30%に変化。
朝日新聞社の17年の世論調査でも
賛成が58%で、反対の37%を上回っている。
「本心では選択的夫婦別姓に反対だけど、
それは隠して中立と自称する」というのが、
「党として許容できる範囲の中で、
世論を意識した動き」ということになりそうです。
本当に中立なのか、反対派であることを
隠している「自称中立」なのかを探るには、
選択的夫婦別姓について具体的な
議論をするとよいだろうと思います。
「自称中立」は反対派だから出てくる発想や、
反対派(非共存派)にありがちな意見
ばっかり言うことが相場だからです。
つぎのブックマークコメントで書いている
調子の議論を展開するでしょう。
夫婦別姓、自民党内で反対派が半分以下に 朝日東大調査 - 2019参議院選挙(参院選):朝日新聞デジタル「夫婦別姓には中立の立場だよ。でも、日本には伝統的家族文化があるからね。いや、反対するわけじゃない。あくまで中立なんだ。でも、子供の姓とかいろいろ問題があるからね。いやいや、中立だよ?でも家族(略)」
2019/07/19 18:49
ネットには「選択的夫婦別姓に反対でない」、
「自分は中立だ」と言いながら、
具体的な意見になると反対派のものばかり
という「自称中立」は実際にいます。
小泉進次郎氏は、芸能人の滝川クリステル氏と結婚しました。
滝川氏の戸籍上の姓は「小泉」ですが、これからも「滝川」クリステルとして芸能活動を続けるのではないでしょうか。
政治家として様々な批判もある小泉氏ですが、この結婚を機に、選択的夫婦別姓について考えてもらいたいです。
コメントありがとうございます。
小泉進次郎は「選択的夫婦別姓が
認められていたら、それを選ぶ可能性はあった」
という主旨のことを言っています。
なので選択的夫婦別姓には賛成だし、
理解はあるということだと思います。
「進次郎氏、滝川さんとの選択的夫婦別姓「可能性あった」」
https://www.asahi.com/articles/ASM9965T3M99UTFK015.html
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自民党の小泉進次郎衆院議員は9日、
東京都内であった経済同友会主催の講演で、
アナウンサーの滝川クリステルさんとの結婚について触れ、
「もし選択的夫婦別姓の環境が整っていたら、
私はその(夫婦別姓を選ぶ)可能性があったと思う」と語った。
小泉氏は「選択肢を増やすだけなのに、
反対する人がけっこういませんか。
今まで通り、同姓がよければ選べば良い。
私と妻はお互い社会に出て仕事をしている。
(制度の改正が)進まない今の日本は、
変えていきたいと、ますます思う」と話した。
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眉毛につばをつける人もいるみたいですが、
ここは信用しておきたいと思います。