選択的夫婦別姓の法制化を国に求める
意見書の審議に反対した自民党ですが、
記事でいくつかの意見が紹介されています。
「<論戦 都議会>選択的夫婦別姓 国への意見書見送り」
「選択的夫婦別姓の法制化意見書 都議会 全会一致せず見送り」
今回は朝日新聞の記事に出ている、
鈴木章浩の意見を見てみることにします。
自民の鈴木章浩幹事長は「別姓は子どもの目線からも
考える必要がある、更に国を挙げて
議論されるべきだ」と説明した。
「子どもの目線から考える必要がある」と
鈴木章浩は言っています。
これは夫婦別姓の家庭の子どもが、
どう思っているか、ということでしょうか?
それでしたらもうじゅうぶん考えられています。
夫婦別姓の家庭の子どもに関する報告は、
すでにたくさんあるからです。
その「子どもの目線」の意見は、
親が夫婦別姓でもなにも問題がない、
困ることも不便なこともない、
というものがほとんどです。
よその家では夫婦同姓が多数だと知っても、
「ちょっとした発見の気分になった」くらいです。
自分の家が夫婦別姓であることに、
疑問を持ったりはしないです。
「親が夫婦別姓、子どもの本音を聞いてみた「困ることはない。以上」」
両親が別姓の子どもたち 「当たり前」だったから…
「家の中って名字で呼ばないし、正直意識したことがなかった」
そう振り返るのは、弁護士として法律事務所への
就職が決まっている日高稔基さん。
小さな頃から表札に二つの名字があるのが「当たり前」でした。
初めて別姓を意識したのは、学校の連絡網を見て
「他の家族の名字は同じだ」と気づいたとき。
ただその時も「へー。名字が同じ家族の方が
『普通』なんだ」と思っただけだったそうです。
こちらは夫婦別姓の家庭ではないですが、
親子で苗字が異なるケースです。
やはり苗字のことで問題はないと言っています。
「「親と別姓」でも不自由しない」
別姓になって6年余りになりますが、
私はそのことで不自由を感じたり、
不愉快な思いをしたりしたことは一度もありません。
こちらは夫婦別姓の家庭の子どもで
きょうだいで苗字が異なる場合です。
やはり苗字のことで取り立てて問題はないです。
「親子別姓・子どもの苗字観」
「兄弟で別姓「兄ちゃんみたいに変えようかな」 揺れる「姓」の価値観」
長男は最近、高校受験を機に自ら希望して「ニシザワ」姓に変更した。
ヨウコさんは感慨深かったが、夫と長男は「それで何か変わる?」。
長男は学校で、こう「宣伝」したという。
「俺、名字が変わったんだ、イェーイ!」
現在は、小学4年生の次男だけが「ハシノ」だ。
「僕も兄ちゃんみたいに高校に行くとき変えようかな、
それとも中学になったら変えようかな? まぁ、まだいいや!」と次男。
姓は「家族を表すもの」というより、
「自由に選べるもの」という感覚のようだ。
親が夫婦別姓で自分と苗字が異なることに、
子どものときはずっと気づかなかった
というかたもいらっしゃります。
それくらい苗字が違っていても当たり前で
意識しないことだったのでしょう。
「親子別姓に気づかなかった」
母「夫婦別姓反対派の意見で結構多いのが、両親と同じ苗字じゃないと子供がかわいそう!ってやつでさ〜」
— 柿崎 (@kaki725) 2018年1月11日
私「へ〜実際どうなんだろうね〜」
母「子供の頃どういう気持ちだった?」
私「?」
母「私結婚した時から旧姓名乗ってるから私とあんた苗字違うよね?」
私「……!!今気づいた!!」
夫婦別姓問題に関する「子どもの目線」は、
すでにじゅうぶん考えられています。
上で挙げたほかにも、夫婦別姓の家庭の
子どもに関する報告はたくさんあります。
「子どもの気持ちを考えていますが?」
「子どもの気持ちを考えてください」
「子ども目線」でも親が夫婦別姓であることに
問題ないとすでにわかっています。
よって選択的夫婦別姓を導入する上で、
問題はなんらないことになります。
問題があるのは結婚改姓によって
アイデンティティや職業上のキャリア、
改姓手続きの不便などがあるおとなたちです。
そうしたおとなたちの問題を解決するために、
選択的夫婦別姓を早急に導入する必要が
あることになります。
子どもは将来おとなになります。
「子ども目線」の夫婦別姓というのは、
もうひとつ、自分が今後結婚するとき
苗字をどうするか、ということもあると思います。
ある小学校の一年生のクラスですが、
結婚改姓が嫌だから自分は結婚しないと、
クラス中で言った子どもたちがいました。
「結婚改姓が嫌な子どもたち」
「結婚したら名前が変わるなんてヤダー! ― 小1生の本音を最高裁はどう聞く」
「ねっ、そういう風に大人になって結婚すると、
みんなも名前が変わるんだよ」と、
私が軽率な言葉を口にしたとたん、
クラス中から一斉に「ヤダー!」の大合唱が。
しかも、先に声を上げたのは、みんな男の子たちです。
(えっ、男の子は名前は変えなくて大丈夫なのに...)と
私が心の中で思っていると、ちょっとオシャマな女の子が、
「だから、アタシ、結婚なんてしないの」と、毅然と胸を張ります。
これを耳にした周りの子たちも、
「じゃあ、ボクもしない」「私もしない」と、
この日の給食は結婚拒否発言の嵐で幕を閉じました。
結婚改姓したくない子どもは多そうです。
こうした子どもたちがおとなになる前に、
選択的夫婦別姓を実現して、
結婚しても改姓しない選択肢を用意しておく、
というのが「子ども目線」になるでしょう。