2019年10月09日

toujyouka016.jpg 夫婦別姓訴訟(信条による差別)・原告敗訴

またとても残念なお知らせです。

夫婦同姓の強制は憲法で定めた
「法の下の平等に反する」として
国を提訴した夫婦別姓訴訟のひとつが、
また10月2日に原告敗訴となりました。

「夫婦別姓を認めないのは「信条による差別ではない」 東京地裁で原告側が敗訴」
「夫婦別姓訴訟で敗訴「何%の人が容認したら変わるのか」」
(はてなブックマーク)

「夫婦別姓訴訟 原告側が敗訴」
「夫婦別姓 請求認めず 東京地裁「立法、国会で考慮を」

 
夫婦同姓を定めた民法の規定は
「法の下の平等」を保障した憲法に違反するとして、
事実婚の夫婦ら3人がそれぞれ50万円の
国家賠償を求めた訴訟の判決で、
東京地裁は2日、原告の請求を棄却した。

大島洋志裁判長は「結婚後も仕事を続ける
女性が増え、姓が家族の一体感につながるとは
考えていない人の割合が増えつつある」と
夫婦別姓の社会情勢の変化を指摘。

ただ、規定を合憲とした2015年の最高裁判決の
当時と比べて「その判例を変更するほどの
変化があるとは言えない」と述べ、
「国会の立法政策として考慮されるべき事柄だ」と指摘した。


これは4件ある夫婦別姓訴訟のうち
2018年5月10日に提訴された2件目のものです。
2015年の最高裁判決で敗訴となった
訴訟の原告団の「直系」にあたります。

「もうひとつの夫婦別姓訴訟」
「事実婚7人、夫婦別姓求め提訴「別姓が現実社会に拡大」」
「#選択的夫婦別姓訴訟」

夫婦別姓を望む婚姻届の受理を拒まれた
東京都や広島県の事実婚の男女7人が10日、
夫婦同姓を定めた民法の規定は「法の下の平等」を
保障した憲法違反だとして、国や自治体に損害賠償などを求め、
東京地裁や同立川支部、広島地裁に提訴した。
同姓にしなければ法的に結婚できないのは不平等だと主張している。
原告(申立人)は、市区町村役場に
夫婦別姓を希望する婚姻届を提出し、不受理となりました。
そこで、原告らは、
@家庭裁判所に夫婦別姓の婚姻届の受理を求める審判
A地方裁判所に婚姻届不受理処分・立法不作為に対する国家賠償請求
この2つを裁判で求めています。

また、@Aそれぞれの裁判の中で、別氏の選択肢を認めない
夫婦同氏制(民法750条及び戸籍法74条1項)は、
​(1)同姓を希望する者と別姓を希望する者の間に、
法律上の婚姻をできるか否かという異なる扱いをもたらしており、
「信条」による差別として憲法14条に違反する、

(2)憲法24条の「個人の尊厳と両性の本質的平等」の
要請に反しており、国会の立法裁量の範囲を超えている、

(3)国連自由権規約及び女性差別撤廃条約に違反する
との主張をしています。

民法750条をすべて違憲無効というのではなく、
別姓の選択を認めない点において違憲で条約違反との主張です。


わたしがブログでこの訴訟について
取り上げたとき、悲観的な予想をしていました。
(4件全部の訴訟に対して悲観的予測ですが。)
この予想は当たったことになります。

この訴訟の勝算ですが、例によって「高くない」と
わたしは悲観的な予想をしています。
ほかの夫婦別姓訴訟として、青野慶久氏らの訴訟や、
想田和弘氏らの訴訟などがありますが、
これらよりも勝算は低いのではないかと思います。


追記:

このエントリの不正確な記述を削除、修正しました。

posted by たんぽぽ at 06:26 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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