夫婦別姓訴訟で原告の敗訴が続く状況について、
わたしなりの考えをお話してきました。
「社会事情の変化がない・反証不可能性」
「夫婦別姓訴訟・原告敗訴の理由」
国会も司法もどこも動く気配がなくて、
選択的夫婦別姓は「八方塞がり」という感じです。
現状で選択的夫婦別姓が実現する
可能性があるとしたら、日本が国際社会から
制裁を受けることだろうと思います。
ギリシャとイタリアは同性結婚を法的に
認めないことで欧州人権裁判所から
制裁を受け続けてきました。
これと類似の措置をどこかの国際機関が、
選択的夫婦別姓を認めない日本に対して
ほどこすということです。
「ギリシャの同性結婚雑感」
「イタリアの同性結婚雑感」
ギリシャに欧州人権裁判所が制裁を
科したのは2013年で、同性結婚の
パートナーシップ法が成立したのは2015年です。
2年ほどで成立しています。
イタリアは制裁を科されたのが2015年、
法案成立は2016年で1年ほどです。
両国とも制裁を受けてから同性結婚の
パートナーシップ法を成立するまでの時間は、
比較的短いと言えます。
10月15日エントリでお話しましたが、
選択的夫婦別姓の実現は日本の
統治機構にかかわる人たちのあいだで
「火中の栗」になっているのではないかと、
わたしは考えています。
「選択的夫婦別姓は「火中の栗」?」
国際社会から制裁を受ければ、
自分の責任ではなく他人に言われたから
「火中の栗」を拾ったことにできるので、
まがりなりにも日本の統治機構も
動くのではないかと思います。
今後日本に制裁を課す可能性のある
国際機関はあるのかという問題がありますが、
国際オリンピック委員会(IOC)が考えられます。
2014年のソチオリンピックが行なわれた
ロシアで反同性愛法が成立しました。
ロシアへの直接の制裁はなかったですが、
今後反同性愛法のある国はオリンピックの開催が
できないよう、IOCは規約を改正しました。
「外圧もあるが…LGBT理解への法案、自民が腰重い理由」
一つは、20年の東京五輪・パラリンピックだ。
14年2月のソチ五輪では、ロシアの「同性愛宣伝禁止法」が国際的な批判を受けた。
国際オリンピック委員会(IOC)は同年12月、
五輪憲章の根本原則に性的指向による差別禁止を加え、
日本政府もその姿勢を問われている。
「オリンピック:開催都市契約に差別禁止条項が追加」
国際オリンピック委員会(IOC)は、
今後の五輪開催都市との契約に差別禁止義務を含めると発表した。
2020年の東京オリンピックでの
日本の振る舞いいかんによっては、
選択的夫婦別姓を認めないことを
IOCが問題視して、今後のオリンピックへの参加や
開催国となることへの制限をするといった
措置を取るかもしれないです。
本当に日本が国際社会から制裁されて、
ようやく選択的夫婦別姓を認める事態になったら、
わたしはそれでもいいと思います。
「外圧に頼らず日本人だけの力で
選択的夫婦別姓を実現したい」なんて
ナショナリズムを主張する気は、わたしにはないです。
外圧に頼ろうと制裁をくらおうと、
選択的夫婦別姓が実現することが、わたしには大事です。
「日本を改善する最大の原動力は外圧」
というのは、むかしからそうです。
外圧によって選択的夫婦別姓が
実現することになったら、ある意味「日本の伝統」に
かなっていているとも言えます。
選択的夫婦別姓が前例となって、
ほかの人権条項も外圧や制裁を受けるまで、
国内政治が動かない事態が常態化しないか、
という心配なら、わたしにはあります。
それはなんとしてでも避けたいです。