日本の出生数の減少が予測より早く
加速がかかった原因について、日経の記事には
簡単な言及もあるのですが、団塊ジュニア世代が
出産年齢を過ぎたことをあげています。
「出生数90万人割れへ 19年、推計より2年早く 社会保障・成長に影」
「出生数90万人割れへ 19年、推計より2年早く 社会保障・成長に影」(全文)
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日本の出生数が急減している。
1〜7月は前年同期に比べて5.9%減り、
30年ぶりの減少ペースとなった。
団塊ジュニア世代が40代後半になり、
出産期の女性が減ったことが大きい。
日本総合研究所の藤波匠氏は
「団塊ジュニアの出産期の終わりを映している」という。
1971〜74年生まれのこの世代は、
19年にはすべて45歳以上になる。
「団塊ジュニア世代」は正確には
1971年から1974年生まれです。
このような議論の場合、前後の数年を
ある程度含めて考えてもよいと思います。
人口減少や出生数の減少が話題になると、
しばしば言及があるのは「団塊ジュニア世代」です。
ほかの世代は具体的に名指しされることは、
ほとんどないと思います。
なぜ「団塊ジュニア世代」が名指しされるか、
それは前後の世代と比べて人数が多いことが、
理由のひとつなのはもちろんでしょう。
ほかに人口問題がクローズアップ
されるようになった21世紀のはじめに、
彼ら団塊ジュニア世代がちょうど
結婚・出産適齢期だったことがあると思います。
団塊ジュニア世代は少子化の話題になると
取りざたされる機会が多いので、
いささか理不尽の感もなきにしもあらずです。
それでも団塊ジュニア世代に
少子化の責任を押し付ける論調は、
ほとんどなかったと思います。
人口問題の議論が団塊ジュニア世代に対して、
結婚や出産の圧力になった、
というほどでもなかったと思います。
日本は意識が遅れているとはいえ、
21世紀の世の中ではあります。
それくらいの人権意識はまがりなりにもある、
ということかもしれないです。
現に団塊ジュニアが親の世代の時代に、
出生数が高くならないどころか下がったくらいです。
日本の人口減少が始まった2006年は、
団塊ジュニア世代が30代前半で、
結婚・出産適齢期のど真ん中でした。
社会が少子高齢化の危機だと
いくら騒いだところで、子どもを産み育てやすい
環境でなければ子どもを持たないと、
ある意味飄々としていたとも言えます。
2019年は団塊ジュニアは45歳以上です。
少し下の世代を入れて考えても、40歳以上です。
記事でも述べられているように、
団塊ジュニアの出産期は過ぎました。
団塊ジュニアが出生率や出生数など、
人口問題の議論に登場する機会は、
今後はめっきり減るのかもしれないです。
今後の議論は、団塊ジュニア世代より下の世代を
意識したものとなっていくでしょう。
みらい選挙プロジェクトの三春充希氏は、
「第3次ベビーブームは起こりませんでした」と、
完了形で表現しています。
「そしてあの時、少子化を避ける最後の道をなくした――「武器としての世論調査」番外編B」
しかしこの「自然なこと」は一度きりで、
第3次ベビーブームは起こりませんでした。
出生数、出生率の増加や人口回復に、
団塊ジュニアが期待(?)される時代は
もう終わった、過ぎ去ったということです。