2019年10月31日

toujyouka016.jpg 選択的夫婦別姓・自民に賛成が少ない理由

10月22日エントリの続き。

選択的夫婦別姓の是非に関して
自民党では反対が減ったけれど、
増えたのは中立で、賛成は微増という
理由について、サイボウズの青野慶久氏から
じきじきにリプライをいただきました。

「夫婦別姓、自民党内で反対派が半分以下に 朝日東大調査」
「夫婦別姓、自民党内で反対派が半分以下に 朝日東大調査」(全文)
(はてなブックマーク)

 

自民党は高齢議員に反対派が多く、
また年功序列ゆえに中堅や若手の中には
高齢の反対派議員の顔色をうかがう議員も多いです。
それで選択的夫婦別姓にはっきりと
賛成できない議員も多いようです。

これはむかしからあったと思います。
それでもこのような高齢反対派議員の
顔色をうかがう議員は、かつては反対を
表明することが多かったです。

中立が多くなったのは、ツイートでも
指摘がありますが、最近の世論を意識して、
反対の表明もしにくくなったからだと思います。
じゅうぶん早いとは言えないですが、
歴史は確実に動いてはいるのでしょう。


自民党になぜ年功序列が幅を利かせるのかは、
「当選回数主義」という独特の人事の
システムを採っていることがあるでしょう。
これは議員が当選した回数に応じて、
閣僚や党の役員などのポストを割り振るものです。

「当選回数主義」

衆院と参院合わせて300人ほどいる
国会議員全員が納得できる基準で
人事を行なうのは難しいというので、
だれでもわかりやすい基準として
「当選回数」を利用することにしたのでしょう。

このような人事の仕組みを採用していると、
当選回数の多い議員ほど党内・政権内での
発言力や影響力が増すことに、
必然的ながらなっていきます。

当選回数が多い議員たちというのは、
おのずと高齢の議員ばかりになります。
よって「当選回収主義」を採るかぎり、
高齢の議員ほど強い力を持つ
年功序列になっていくことになります。


「当選回数主義」は55年体制時代の
自民党の体質で、問題視されていました。
1990年代の政治改革の時代にも、
よく批判されていたと思います。

その後「コイズミカイカク」や
民主党政権時代の下野など、自民党には紆余屈折が
あったのですが、「当選回数主義」は
まだまだ健在なのかと思います。


選択的夫婦別姓の是非という観点では、
長老議員の顔色をうかがって
賛成できない議員が多いというのは、
選択的夫婦別姓の反対論には
まともな理屈がないことを示していると思います。

反対させる、あるいは賛成させないためには、
組織や社会のヒエラルキーを利用して
圧力をかけるよりないということです。

長老議員にとって選択的夫婦別姓は、
事実や理屈なんか度外視してでも
圧力をかけてでも反対させる必要がある、
ということを示してもいると思います。

彼らはそれだけがんめい極まりなく
選択的夫婦別姓に反対しているし、
また彼らにとってそうまでしでも
反対する必要があるということでもあります。


謝辞:

最初の青野慶久氏のツイートは、
自民党に中立が増えた理由を推測する、
つぎのわたしのツイートに返信したものです。


青野慶久さま、わたしのツイートに
じきじきにリプライをくださり、
まことにありがとうございます。


posted by たんぽぽ at 07:10 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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