2019年11月04日

toujyouka016.jpg 結婚すると女性は不利・年収

10月27日エントリで予告した、
ある種の男性(とくに「弱者男性」)による、
「女性は結婚で有利」論について、
よりくわしくお話したいと思います。

「「結婚で女性は有利」論について語る」
「「弱者男性」による「女性は有利」論について語る」

 


事実として、一般的に女性は結婚すると
不利になることが多いです。
結婚生活は多かれ少なかれ男性中心的で、
男性の利益のために女性が犠牲になることで
成り立つ面があるからです。

「女性が結婚しないのはなぜか」

ツイートで具体例としてあがっている収入は
日本の場合きわだっています。
正規雇用にかぎっても、既婚女性の年収水準は
未婚女性より低くなっています。

「女は結婚で年収が減る」

https://twitter.com/tmaita77/status/419665311353143297



女性は結婚すると、もっと年収の低い
非正規雇用に回されることが多いです。
そこまで考えると、既婚女性の年収水準は
もっと低くなるでしょう。

「出産でパートに回される」
「ジェンダー別の正社員の割合」

https://twitter.com/tmaita77/status/766298734091051008




未婚と既婚の女性の年収分布の図は、
総務省の『就業構造基本調査』の2012年度版です。
平成後期の2012年でさえ、未婚か既婚かで
女性の年収は歴然とした差があります。

高度経済成長期は、女性は収入の道が
平成後期よりずっと閉ざされていました。
結婚したら女性は仕事をやめて
無業(専業主婦)にならざるをえない
ケースもずっと多かったです。

それゆえ既婚女性の年収水準は
平成後期よりさらに低かったと考えられます。
年収に関しては、結婚による女性の不利は
さらに大きかったと考えられます。

それでも経済成長が続いたゆえに、
男性が専業主婦を養うだけの収入があり、
結婚によって暮らしぶりはよくなりました。
それで結婚して無業(専業主婦)になることを、
なんとか受け入れていられました。

「非婚・未婚と経済問題」
「未婚率が低かった時代」


1970年代になって景気が悪くなると、
女性が男性と結婚してもそれほど
暮らしぶりはよくならなくなります。

男性に養われることの唯一のインセンティブが
なくなったことで、無業(専業主婦)になろう
という女性は少なくなっていきます。

1970年代に入って、男性の未婚率は
それほど急に増えないのに、
女性の未婚率は目立つ程度に増えるのは、
そのためだと思います。

「生涯未婚率が過去最高に」

年齢別未婚率の推移

結婚してお嫁さんになることが女の幸せと
いまより思われた高度経済成長期でさえ、
それ以外の生きかたがほとんど
閉ざされていたからそうせざるをえなかった、
という女性が多かったのでしょう。

当時から結婚が女性にとって
取り立てて有利でないどころか、
むしろ不利だったということです。

posted by たんぽぽ at 23:07 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 結婚すると女性は不利・年収 web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]