2019年11月10日

toujyouka016.jpg 「結婚で女性は有利」論の精神構造

前のエントリの続き。

11月4日エントリで簡単に触れましたが
性生活以外の結婚生活も、多くの場合において
女性は不利になり、男性は利益があります。

それにもかかわらず、なぜある種の男性は
「結婚で女性は有利」なんてあからさまに
倒錯したことを、まじめに思っていられるのか、
という問題を考えることにします。

 

「結婚は人生の墓場」ということばは、
わたしも子どものころから聞いたことがあります。
それは「女にとって」だと最初は思っていました。
どうやら「男にとって」らしいとわかって、
どういうことかと疑問になりました。


「結婚で女性は有利」という倒錯したことを
まじめに考える男性の精神・思考構造ですが、
「隣の芝は青く見える」があると思います。

「結婚で女性は有利」と言い出す男性は、
女という立場ゆえの苦労が見えず、
「女だから得している」と思われることばかり
眼に入るものと思います。

男性は往々にして女性の置かれている状況を
理解しようとしないと思います。
ジェンダー問題にかかわっていると、
「男性はこんなことも本当にわからないのか」と
思うことが、しばしばあるでしょう。

それで結婚によって年収が減って
経済的に自立できないことが
どれだけ大きな不利益なのかを
想像することすらできない視界の狭くなった男性も、
めずらしくないのだろうと思います。


ある種の男性が「結婚で女性は有利」と言う
より本質的な理由は、彼らは本当は
結婚で有利になるのは自分たち男性だと
わかっているからだろうと思います。

男性の既得権を維持したいのですが、
結婚によって女性を犠牲にすることで、
男性は有利になるとはっきり言うと、
女性から反発が来るのは必至です。

それで「結婚で男たちは不利になる」と言って、
自分たち男性が被害者、弱者を装い、
女性に利益を持たせるふりをして、
なだめすかせて、女性からの反発を
かわそうということです。

ときどき見られる社会的強者のおためごかしです。
見え透いているのですが、反論するには
それなりの理論武装は必要ですし、
一定の効果はあることだと思います。


男たちが「結婚で女は永久就職、
三食昼寝付き」だから「結婚で女性は有利」と
本当に思うなら、そのライフスタイルを
男性も手にできるよう、権利獲得の運動を
起こすことだと思います。

具体的には、女性にも配偶者を養える
収入を得られるだけの雇用を開く、
男性が女性に養われてもはばかられない
社会通念を作るなどだと思います。

「結婚しても経済的自立を維持できる
男性は有利」と女たちは思ったから、
その有利な男性のライフスタイルを
女性も手にできるよう、権利獲得の運動を
おおむかしから続けてきました。

それゆえ、女性も選挙権があるし、
教育を受ける権利や職につく権利を持ち、
まがりなりにも男性と同じように
経済的に自立できるライフスタイルが
可能になった現在があるということです。



ところが「結婚で有利な女性」の
ライフスタイルを自分たちも得ようとして、
男たちが運動を起こしたお話はないようです。

運動を起こさないどころか、
どうやったら「結婚で有利な女性」の
ライフスタイルを男性も実現できるかという
議論さえ、男たちはろくにしないようです。

このあたりが「結婚で女性は有利」と
うそぶく男性たちは、本当はどう思っているかを、
よくしめしているように思います。

posted by たんぽぽ at 23:30 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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