日本の出生数減少が、予測より早くなったという、
厚生労働省の人口動態統計の調査の続きです。
「出生数90万人割れへ 19年、推計より2年早く 社会保障・成長に影」
具体的にどれだけ推計より実際の出生数の
減少が早くなったかですが、2017年の推計では、
出生数が90万人を下回るのは2021年でした。
それが2019年と2年早まりそうだということです。
人口動態統計の速報値は外国人による日本での出産と、
日本人の海外での出産が含まれる。
政府が公表する年間の出生数は3万人程度のこれらを除いて、
18年の日本人の出生数は約91.8万人だった。
19年は7月までの減少ペースが続けば、
90万人を割り込む公算が大きい。
外国人を含んでも90万人に届かない可能性がある。
国立社会保障・人口問題研究所が17年にまとめた推計では、
19年の出生数は92万1千人(総人口ベース)だった。
90万人割れは21年(88.6万人)としており、
仮に19年なら2年早い。
どんな方法で推計したのかが気になります。
計算の詳細はおそらく複雑で、
専門家でないと全貌はわからないのでしょう。
しろうと眼でわかることだけ言及しておきます。
2019年は出生数の前年比が-5.9%と、
21世紀に入ってから過去最低でした。
この急激な出生数の落ち込みが
予測できなかったものと思います。
国立社会保障・人口問題研究所が推計を
発表したのは2017年です。
このとき2017年のデータが、
加味されていたかどうかはわからないです。
それでもこの時点で21世紀の出生数の前年比は、
2005年と2006年の特異的な2年を除き、
ゼロから-3%の範囲にほぼ入っていました。
2017年以降も、このペースが続くような
推計だったのかもしれないです。
2016年と2017年は、出生数の前年比が
2005年の-4.3%に次いで、
二番目に低い数値が2年続きました。
それでもこの時点までのデータだけ見たら、
これまでの変動範囲内と考えると思います。
今後の状況ですが、2019年の-5.9%は、
この1年だけの特異的な状況なのか、
それとも今後もこの水準が続くのかです。
2005年の-4.3%は特異的でした。
このときは翌年の2006年から、
出生率は上昇を続けています。
2019年の現在、出生率は減少を続け、
翌年から上昇に反転する要素はなさそうです。
かりに出生数の前年比の落ち込みが
2019年は特異的だったとしても、
今後はこれまでより低い数値を
中心にして変動することが考えられます。