日本社会の病理をえぐるよいお話です。
具体的には、むかしスカートの丈の長さで
ツイートのかたに因縁をつけた先輩が、
だいぶあとになってからだけど、
自身の問題に気づいてツイートのかたに
おわびしたというお話です。
「昔に「スカート短けーんだよ、調子のってんじゃねーよ」と呼び出してきた先輩に言い返したら、今日になって連絡が来た話」
ちょっと衝撃的な出来事があったので書きますね。昔、先輩から呼び出されて「スカート短けーんだよ、調子のってんじゃねーよ」と言われたことがありまして、そのときに「私のスカートの長さが先輩の人生に悪影響を及ぼしているなら改めますけど、そうでないなら私の人生に口を出さないでください」って
— 一戸恵梨子 🇦🇺 (@erikoichinohe) 2019年11月15日
言ったんですよ。その先輩からね、今日、連絡が来たんですよ。当時、帰国子女として日本で苦しんでたときに、日本に馴染もうとしてああやって振るまっていたけど、息苦しさの正体は人の人生に口を出されることだった、と。
— 一戸恵梨子 🇦🇺 (@erikoichinohe) 2019年11月15日
そして、私の一言でそれを思い知り、今まで人の人生に口を出されない国にいて心地よかったのに、なぜ日本に帰国したからって人の人生に口を出してしまうんだろうと考えたと。間違いなくあのときの一言が人生を変えたと。とても遅くなったけど、ごめんなさいそしてありがとう、と。
— 一戸恵梨子 🇦🇺 (@erikoichinohe) 2019年11月15日
まさか、あの先輩がそんな風に苦しんでいたとも知らなかったし、そして私の何気ない一言がそんな影響を及ぼしていたとも知らなかったけど、こうやって長い時を経て連絡をもらえてすごく嬉しい。
— 一戸恵梨子 🇦🇺 (@erikoichinohe) 2019年11月15日
最初にスカートの丈で因縁をつけられたとき、
ツイートのかたの反論は「私のスカート丈の
長さがあなたに悪影響ならあらためるが、
そうでないなら私の人生に口出しするな」という
主旨のことを言っています。
自分の利害とまったく関係ないのに、
他人の生きかたに口を出して干渉するという、
日本社会の病的な精神構造です。
自分に悪影響がないなら、他人がどのような
生きかたをしていようと、関知する必要はないし、
干渉するべきでないことが、
わからない人は日本には多いと思います。
ツイートの様子だと、因縁をつけた先輩は、
ツイートのかたに反論されても、
言い返せなくて引き下がったと思われます。
ここはうまくかわしたと思います。
このお話で示唆的だとわたしが思うのは、
この先輩は帰国子女で、日本社会に馴染めず
息苦しさを感じていたことです。
それでまわりの日本人に合わせれば
よいのかと思って、その先輩のかたは、
他人の生きかたに口を出していたということです。
これは、他人の生きかたに干渉する
というのは、日本社会に顕著なことであり、
世界的に見ると特異であるということを
示していることになります。
おそらく外国で日本と同じように
他人に干渉する社会はほとんどないのでしょう。
それは外国で生活していた人には、
おおよそ理解が難しいということです。
この先輩は自分が日本で暮らして
息苦しいので、まわりに合わせて、
他人の生きかたに干渉していたのでした。
「郷に入れば郷に従え」と思ったのでしょう。
ところが自分が息苦しいのは、
まさに自分がまわりにならっていた
他人の生きかたに干渉することだったと、
自己矛盾的な事態に気がつきます。
「他人の生きかたに干渉する」なんて、
まわりがそうしているからといって、
自分が同じように真似しても、
少しも生きやすくならないということです。
「郷」のやりかたに問題があることもあるし、
そうした場合、「郷」に従うことは
かえって好ましくないという例です。
このお話は選択的夫婦別姓の反対派に
そのまま当てはまることです。
他人が夫婦別姓だったところで
自分の利害とはなんの関係もないのに、
他人の生きかたに干渉して、
選択的夫婦別姓の導入に反対するからです。
選択的夫婦別姓がいつまでも実現しないのは、
まさに「他人の生きかたに口を挟む」という、
日本社会の病理のあらわれと言えます。
最後のツイートなんて、選択的夫婦別姓の
反対派に聞かせたいものです。
他人の夫婦別姓の妨害なんてやめて、
人助けや他人に親切にすることに使ったほうが、
ずっとよいことがありそうです。
一連のツイートがプチバズって驚いています。宣伝の代わりに一言。これがバズるってことは、みんな人生に口を出されるの嫌なんだと思う。人の人生に口出すのをやめて、その分のエネルギーは人を助けたり人に親切にするのに使いましょ!そしたらみんなハッピーよ!
— 一戸恵梨子 🇦🇺 (@erikoichinohe) 2019年11月16日
彼らの場合、いまさらなにを言っても
無駄なのかもしれないです。
このツイート程度のことは、選択的夫婦別姓の
反対派も何度も聞いていると思います。
それでも選択的夫婦別姓に反対というスタンスが
ぜんぜん改まらないからです。