住民票やマイナンバーカードに
旧姓併記ができるようになりました。
すでに話題になっていることだと思います。
「住民票の旧姓併記、始まる 銀行口座や携帯の契約可能に」
「住民票 マイナンバーカード 旧姓併記の申請始まる」(全文)
「住民票の旧姓併記始まる 市区町村 マイナンバーカードも」
「住民票、番号カード旧姓併記 女性活躍推進、5日から可能に」
(はてなブックマーク)
すでに利用されているかたも、いらっしゃると思います。
少し遅くなりましたが、今回はこれを見ていきます。
公的な身分証明書となる住民票やマイナンバーカードに
結婚前の旧姓を併記できる制度が
5日、全国の市区町村で始まった。
戸籍書類がなくても旧姓を証明しやすくし、
結婚後も旧姓を使って活動する人の
仕事や生活を後押しするのが狙いだ。
一方、旧姓を契約時などに使えるかなどの判断は、
各行政機関や民間業者に委ねられている。
住民票やマイナンバーカードに旧姓を併記できる制度が、今日から始まりました。ただ、総務省は、すでに旧姓を容認している機関で使うことができるとしていて、どこまで通用するかは不透明です。 #選択的夫婦別姓
— 杉原里美/Satomi Sugihara (@asahi_Sugihara) 2019年11月5日
旧姓に初めての公証制度 住民票などで旧姓併記が可能に:https://t.co/YFBdit0uU6
ちなみに、マイナンバーカードをすでに持っている場合は、写真のような 戸籍姓(旧姓)名前 とはならず、右下の追記欄に旧姓が書かれるだけです。杉並区では、旧姓併記の手続きに来た人のうち3人が、マイナンバーカードを新規申請をするための書類を持ち帰ったそうです。これでカードの取得も進む?
— 杉原里美/Satomi Sugihara (@asahi_Sugihara) 2019年11月5日
しかも、戸籍に載っている姓ならどれでもいいので、離婚で元夫の婚氏続称をしていれば、その姓も記載できるし、生まれた時の姓も書けると。さらに再婚したら、また戸籍姓も変わる……。ペーパー離婚の事実婚では、夫の姓を()の中に書けて、通常は戸籍姓を使ったり……もう、わけがわかりません。
— 杉原里美/Satomi Sugihara (@asahi_Sugihara) 2019年11月5日
そもそもこの制度は、「女性活躍」を口実にできたもの。
— 杉原里美/Satomi Sugihara (@asahi_Sugihara) 2019年11月5日
両性の本質的平等を目指したものではなく、あくまで「ちょっと便利にしてあげよう」「旧姓が公証できれば、民法改正はいらなくなるだろう」といった狙いなのかもしれません。
住民票、マイナンバーの旧姓併記は、
「女性活躍加速のための重点方針」の一環として、
安倍政権が2016年から準備していたものです。
「住民票の旧姓併記を検討」
「住民票に旧姓併記の法案」
「マイナンバーの旧姓併記に100億」
当初の予定では2018年度から
実施だったので、1年ほど遅れましたが、
どうにか実現したことになります。
自民党・安倍政権を含めた選択的夫婦別姓の
反対派(非共存派)は、かねてから
「旧姓使用でじゅうぶん」と言い続け、
旧姓使用の法制化を主張していました。
それゆえ今回の住民票、マイナンバーの
旧姓併記は当然のことだと思います。
2019年になってやっと実現というのは、
遅すぎるくらいだと思います。
住民票やマイナンバーに旧姓が併記できれば、
それはそれで役に立つかたもいると思うし、
ある程度の解決にはなると思います。
旧姓併記できても旧姓が使える場面は
だいぶかぎられるようです。
(稿を改めてお話しますが、
この旧姓併記はことのほか役に立たない。)
またふたつの名前を使い分ける
煩雑さも解消されないです。
本質的な解決をはかりたいなら
選択的夫婦別姓を導入して、夫婦のどちらも
改姓しない結婚ができるようにする、
ということになります。
市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」
事務局長の井田奈穂さん(44)は、
「多額の税金を使っても、旧姓使用の拡大は、
1人が複数の名前を持つという
混乱を広げるだけで、根本的な解決にはならない。
夫婦別姓が選べる民法の改正が必要だ」と話す。