世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数は、
日本の順位が今年は121位と、
昨年から11ランク下がった原因について、
くわしく分析している記事があります。
「男女平等はまた後退 ジェンダーギャップ指数2019で日本は過去最低を更新し121位、G7最低」
(はてなブックマーク)
日本の順位が11ランクも下がった最大原因は、
「政治」分野にほかならないです。
もともと「政治」分野はスコアが低いことに加えて、
今年は大きく下がったことがあります。
日本が例年、低い順位にとどまっている主な理由は、
経済と政治の分野のスコアが著しく低く、
いずれも100位以下となっているからだ。
今年もその傾向は改善されることはなく、
経済は115位(2018年は117位)、
政治は144位(同125位)となった。
4分野を2018年との比較で見てみると、
経済と健康は少しだけ上昇し、
政治と教育が下落したという結果になっている。
「政治」分野は3つの項目があります。
「女性国会議員の割合」「女性閣僚の割合」
「国の代表者(日本の場合首相)」です。
3つの項目とも、日本のスコアは
世界平均から大きく下回っています。
とりわけきわだつのは「国の代表者」です。
日本は女性の首相がいたことがないので、
過去50年間にゼロ人で、スコアもゼロです。
女性議員の割合は、下院議員(衆議院議員)の
女性の割合だけカウントされているようです。
よって日本のデータは2017年の衆院選の
時点のものが使われていると思います。
2019年は、世界では「政治」分野への
女性の参画が改善したことで、
全体としてジェンダーギャップが改善したという。
世界全体で見ると、比較のために使用されている
下院議員(日本では衆議院)では25.2%、
閣僚では21.2%が女性で、
2018年に比べてそれぞれ増えていた。
これに対して日本の衆院議員は465議席中47人が女性。
比率は10.11%(12月1日現在)で、
列国議会同盟(IPU)によると、193カ国中162位。
2017年の衆院選の女性当選者の割合は10.1%でした。
2014年の9.3%は上回りましたが、
それでも伸び悩んだと言わざるをえないです。
女性議員の割合があまり増えなかった
最大の原因は、自民党にあります。
女性候補者が自民党はそもそも少なく、
当選者に占める割合も低くなっています。
「衆院選・女性当選者の割合」
「日本の女性議員が少ない原因」
伸び悩んだ大きな要因は、与党の女性候補者の少なさだ。
今回の候補者に占める女性の割合は17・7%と過去最高となったが、
自民党は7・5%。当選者に占める割合は7・7%だった。
【自民党の女性候補が少なくて驚く】
— とりあえず自民以外で (@jiminigai) October 11, 2017
女性候補者の比率をエクセルでサクッとグラフに。#立憲民主党 24.4%#共産党 23.9%
希望 20.0%
公明 9.4%
維新 7.7%
自民 7.5%
自民が女性応援とか本気じゃないのよくわかる(10/11朝日新聞より算出)#アビバ pic.twitter.com/yR8XBJM9Wh
女性閣僚の割合は、2018年10月から
今年の9月の内閣改造まで、女性閣僚が
ひとりだったことが影響しています。
現在は安倍政権の女性閣僚は3人ですが、
ジェンダーギャップ指数のデータは、
2019年前半の情報を使っています。
http://lacrima09.web.fc2.com/figs2/ggg2020-asahi.html
過去最低の順位に影響したのは政治分野で、
前年125位から144位に後退。
9月の内閣改造まで女性閣僚が1人だったことが響いた。
女性閣僚の割合で格差を縮めて順位を上げた
韓国に全体でも抜かれる形になった。
2018年10月の改造内閣の人事は、
安倍晋三は政権末期だと思ったのか、
「在庫一掃処分」などと言われていました。
それで女性を積極的に登用する余裕も
なかったのだろうと想像します。
5年前、2014年9月の安倍改造内閣では、
女性閣僚が5人になりました。
5人の顔ぶれは批判する余地はありますが、
それでも女性閣僚の人数を増やしていることは、
まがりなりにもわたしは評価していました。
「改造内閣・女性閣僚5人」
これもいま思うと、このころの安倍政権は
安定していたので、女性を登用する
余裕があったからだ、ということになりそうです。
政権が不安定になると女性を登用する
余裕がなくなるのは安倍政権もしかりで、
この点に関しては、安倍以外の自民党政権や、
民主党政権と同じと言えそうです。
日本が「政治」分野で順位を大きく下げた
原因である、女性議員、女性閣僚の
どちらの伸び悩みも自民党・安倍政権に
大きな原因があることがわかりました。
かくして日本のジェンダーギャップ指数の
順位が大きく下がった原因は、
自民党・安倍政権にあることが
よりはっきりしたことになります。