世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で、
とくに政治分野でのジェンダー格差の
改善がめざましかった国として、
朝日の記事で言及のあるスペインを見ていきます。
「The Global Gender Gap Index 2020」
「Global Gender Gap Report 2020」(PDF)
「男女平等度ランキングで日本は121位 政治・経済の分野で格差」
「日本の男女格差過去最低121位 女性閣僚の少なさ響く」
過去最低の順位に影響したのは政治分野で、
前年125位から144位に後退。
9月の内閣改造まで女性閣僚が1人だったことが響いた。
女性閣僚の割合で格差を縮めて順位を上げた
韓国に全体でも抜かれる形になった。
先進国で目立って順位を上げたのはスペインで、
女性議員、閣僚ともに増え、大幅に格差を改善。
全体で前年の29位から8位に躍進した。
スペインの女性国会議員の割合は、
2018年の39.1%から、今年は47.4%と、
大きく数値をあげています。
このデータはおそらく2019年4月の
議会総選挙の結果を用いていると思います。
スペインでは2019年11月に
総選挙をやりなおしていますが、
このときの結果は反映していないと思います。
スペインの女性議員の割合はほぼ5割です。
ジェンダー比はほぼ問題ないレベルです。
国際的に見ても高い水準です。
「女性議員の割合」の世界順位は5位です。
2018年の女性国会議員の割合も、
スペインは4割近く、高い水準ではありました。
そこからさらにジェンダー格差を
縮めたことになります。
女性閣僚もスペインは格段に増えています。
2018年のときは、男性61.5%、女性38.5%でしたが、
今年は男性35.3%、女性64.7%と
ジェンダー比がほぼ逆転しています。
これは2018年6月にペドロ・サンチェス新内閣が、
17人中11人の閣僚を女性にしたためです。
スペインの女性閣僚の割合は、ヨーロッパで最多です。
「スペイン新内閣、女性閣僚が男性上回る 17人中11人」
スペイン社会労働党(PSOE)の
ペドロ・サンチェス新首相は6日、内閣名簿を発表した。
17人中11人が女性で、女性閣僚の
割合としては欧州で最多となった。
フェミニストを自称するサンチェス首相の人選は、
先に不信任決議を受けて辞任した
マリアノ・ラホイ前首相の
男性ばかりの内閣とは対照的だ。
スペインでは前任の首相のときも、
女性閣僚の割合は38.5%で4割近かったです。
日本の2020年の女性閣僚の割合、
5.3%とくらべると、はるかに多いです。
それでも「男性ばかりの内閣」と
記事に書かれていて、スペインやヨーロッパの
レベルの高さ、いや日本のレベルの低さを
あらためて見せられると思います。
スペインのジェンダーギャップ指数の
総合順位は2018年は29位で
もともと高いほうでした。
今回、女性議員と女性閣僚の割合を
大幅に高めたことで、今年は8位と、
スペインは上位10位以内に
入り込んだことになります。
スペイン: 2020年
スペイン: 2018年