2020年01月02日

toujyouka016.jpg 政治分野の格差を改善した国・スペイン

12月27日エントリの続き。

世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で、
とくに政治分野でのジェンダー格差の
改善がめざましかった国として、
朝日の記事で言及のあるスペインを見ていきます。

「The Global Gender Gap Index 2020」
「Global Gender Gap Report 2020」(PDF)
「男女平等度ランキングで日本は121位 政治・経済の分野で格差」
「日本の男女格差過去最低121位 女性閣僚の少なさ響く」

 
過去最低の順位に影響したのは政治分野で、
前年125位から144位に後退。
9月の内閣改造まで女性閣僚が1人だったことが響いた。
女性閣僚の割合で格差を縮めて順位を上げた
韓国に全体でも抜かれる形になった。

先進国で目立って順位を上げたのはスペインで、
女性議員、閣僚ともに増え、大幅に格差を改善。
全体で前年の29位から8位に躍進した。


スペインの女性国会議員の割合は、
2018年の39.1%から、今年は47.4%と、
大きく数値をあげています。

このデータはおそらく2019年4月の
議会総選挙
の結果を用いていると思います。
スペインでは2019年11月に
総選挙をやりなおしています
が、
このときの結果は反映していないと思います。

スペインの女性議員の割合はほぼ5割です。
ジェンダー比はほぼ問題ないレベルです。
国際的に見ても高い水準です。
「女性議員の割合」の世界順位は5位です。

2018年の女性国会議員の割合も、
スペインは4割近く、高い水準ではありました。
そこからさらにジェンダー格差を
縮めたことになります。


女性閣僚もスペインは格段に増えています。
2018年のときは、男性61.5%、女性38.5%でしたが、
今年は男性35.3%、女性64.7%と
ジェンダー比がほぼ逆転しています。

これは2018年6月にペドロ・サンチェス新内閣が、
17人中11人の閣僚を女性にしたためです。
スペインの女性閣僚の割合は、ヨーロッパで最多です。

「スペイン新内閣、女性閣僚が男性上回る 17人中11人」

スペイン社会労働党(PSOE)の
ペドロ・サンチェス新首相は6日、内閣名簿を発表した。
17人中11人が女性で、女性閣僚の
割合としては欧州で最多となった。

フェミニストを自称するサンチェス首相の人選は、
先に不信任決議を受けて辞任した
マリアノ・ラホイ前首相の
男性ばかりの内閣とは対照的だ。

スペインでは前任の首相のときも、
女性閣僚の割合は38.5%で4割近かったです。
日本の2020年の女性閣僚の割合、
5.3%とくらべると、はるかに多いです。

それでも「男性ばかりの内閣」と
記事に書かれていて、スペインやヨーロッパの
レベルの高さ、いや日本のレベルの低さを
あらためて見せられると思います。


スペインのジェンダーギャップ指数の
総合順位は2018年は29位で
もともと高いほうでした。

今回、女性議員と女性閣僚の割合を
大幅に高めたことで、今年は8位と、
スペインは上位10位以内に
入り込んだことになります。


スペイン: 2020年






スペイン: 2018年





posted by たんぽぽ at 19:41 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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