2020年01月08日

toujyouka016.jpg 青野慶久らの夫婦別姓訴訟・一審判決(3)

1月5日エントリの続き。

サイボウズ社長の青野慶久氏らが訴えている
夫婦別姓訴訟
の一審判決の続きを見ていきます。

「ニュー選択的夫婦別姓訴訟」
「東京地裁判決要旨」

 
(わたしは法律はしろうとなので、
解釈が妥当でないところや不適切なところ、
おかしなところがあるかもしれないです。
そのときはご連絡いただけたらと思います。)


2 主たる争点

(1) 本件旧氏続称制度の不存在が憲法14条1項に違反するか否か(争点1)
(2) 本件旧氏続称制度の不存在が憲法13条に違反するか否か(争点2)
(3) 本件旧氏続称制度の不存在が憲法24条に違反するか否か(争点3)
(4) 本件立法不作為が国家賠償法上違法となるか否か(争点4)
(5) 本件立法不作為と相当因果関係のある原告らの損害の有無及び額(争点5)

今回は争点3(憲法24条)を見ていきます。

「日本国憲法 > 第3章 国民の権利及び義務」

第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、
夫婦が同等の権利を有することを基本として、
相互の協力により、維持されなければならない。

2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、
離婚並びに婚姻及び家族に関する
その他の事項に関しては、
法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に
立脚して制定されなければならない。


原告の主張は婚姻の95%以上の
ケースにおいて、女性が改姓するので
ジェンダー差別であることを訴えています。
さらに夫婦同姓の強制によって
事実婚を選ぶことを余儀なくされる
かたがいることも主張しています。

日本人同士の婚姻の場合には、95%以上の夫婦が
男性(夫)の氏を選び、女性(妻)は氏を
変更しているという不均衡が生じていること、
本件旧氏続称制度の不存在により、
法律婚を回避する者も現に存在しており、
婚姻制度の内容により婚姻をすることが
事実上不当に制約されている


被告(国)の主張は「夫婦同姓の強制は
最高裁が合憲だと言ったから問題ない」です。
端的な言いかたをすればこうなります。
ほかふたつの争点にくらべて記述も短く、
国の主張のお粗末さが目立っていると思います。

民法750条が合憲である以上、同条が適用される
日本人同士の婚姻の場面において、
戸籍法に婚姻前の氏を称することができるとする規定
設けられていないことは、憲法24条に違反しない。

民法750条が合憲かどうかがもう一度
問われているのに、「民法750条は合憲だ」
というのが国側の言っていることです。
ほかふたつの争点もそうですが、
国側の主張は「答えになっていない」
ことが多いと思います。

なぜ夫婦同姓の強制を合憲と考えるのか、
「最高裁判決が合憲だから」でない、
国側の独自の論拠を聞かせてほしいものです。


東京地裁の判決は、「選択的夫婦別姓の
導入は国会でなされることであり、
裁判所が判断することではない」です。
2015年12月の最高裁判決と同様です。

現行制度の下で不利益が生じており、
法律により新たに制度を設ければその不利益が
解消されるとしても、そのような新たな
法制度の当否は、立法政策の問題であり、
また、夫婦同氏制を定める民法750条の規定が
合憲である以上、そこから派生する不利益に
対処するため、立法措置を執るか否か、
立法措置を執るとしてその内容を
いかなるものと定めるかは、国会の立法裁量に
委ねられた問題であって、この点につき
憲法24条により裁量の限界が画されるか
否かを論じる余地はないというべきである。

選択的夫婦別姓を認めないことを
違憲とは絶対にしたくないが、
それでもジェンダー差別性は反論できないので、
裁判所は自分たちの判断を避けた
という様子が伝わってきます。

posted by たんぽぽ at 22:20 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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