旧姓併記に関する毎日新聞のコラムです。
政府はあくまで選択的夫婦別姓を導入せず、
「旧姓併記」でお茶をにごそうとする、
ということが指摘されています。
「あした元気になあれ 旧姓併記でお茶を濁すな=小国綾子」
「明日元気になあれ 旧姓併記でお茶を濁すな」(全文)
選択的夫婦別姓制度について、
世論はすでに過半数が制度導入に賛成している。
香蓮からは、別姓を認めない民法は
差別的だと何度も勧告を受けている。
それでも政府は制度導入の代わりに
「旧姓併記」でお茶をにごすつもりだ。
「お茶をにごす」主体は自民党・安倍政権です。
2019年参院選の公約でも、選択的夫婦別姓の
導入には反対で、旧姓使用の拡大をかかげています。
「数字で語る争点・選択的夫婦別姓」
自民党は選択的夫婦別姓に賛成する候補者が、
他党とくらべて圧倒的に少ないです。
そして反対の候補者が多くなっています。
「選択的夫婦別姓・他党はほぼ全員賛成」
このような政党が政権についていれば、
選択的夫婦別姓がいつまでも実現しないのは、
ごもっともなことになります。
自民党・安倍政権が旧姓使用の拡大で
「お茶をにごす」のは、かねてから
「旧姓使用でじゅうぶんだ」ということを、
選択的夫婦別姓に反対する理由として
主張してきたことがあります。
選択的夫婦別姓の導入が議論された
初期のころから、彼ら反対派たちは
「旧姓使用の拡大」を主張していました。
それでも住民票、マイナンバーの旧姓併記を
導入したのは最近になってようやくです。
政府・自民党は「お茶にごし」程度でも
まったく積極的になれず、長いあいだ手をつけて
いなかったということです。
自民党に選択的夫婦別姓の反対派が多いのは、
「伝統的家族」と称する因襲・反動的な家族観を
標榜するものが彼らの中に多いからです。
「家族思想という信仰」
この「信仰」を続ける背景には、
彼らのジェンダー差別意識が
より本質的なところにあるだろうと思います。
これは地方議員の場合ですが、
つぎのように表現されています。
「夫婦別姓・知ろうとしない人たち」
「愛人が増える?」夫婦別姓を通して見えた女性蔑視
議員と話す中で感じるのは、選択的夫婦別姓への偏見だ。
「夫の姓にしないと社会的に結婚しているか分からない。
愛人と見分けがつかなくなる」
「選択的夫婦別姓が実現したら、女性も男性と同じ権利を
持っていることに国民が気づいてしまう」
「法改正などしてうちの妻が元の姓に戻りたい
と言ったら離婚だ。責任を取ってくれるのか」
どれも男性議員から言われたことだそう。
自民党・安倍政権が「女性が輝く」
「女性活用」なんてお題目を掲げても、
このようなジェンダー差別的な
家族イデオロギーを信奉する議員にはばまれて、
たいていの施策は不徹底になります。
「配偶者控除で自民党内に対立」
選択的夫婦別姓は差別的で因襲的な
家族・ジェンダー観を持つ人たちの
ターゲットとしては代表的です。
それゆえなおさら選択的夫婦別姓は、
実現がはばまれることになります。
安倍晋三首相自身、因襲・反動的な
家族イデオロギーを標榜しています。
選択的夫婦別姓も「左翼のドグマ」などと
言って反対したことがあります。
「夫婦別姓は家族解体が目標?」
安倍晋三は自分が掲げるスローガンよりも、
差別的で因襲的なまわりの議員たちに、
家族思想が近いということです。
それでなおさら選択的夫婦別姓には
消極的、否定的になるのでしょう。