選択的夫婦別姓についての質疑で、
「それなら結婚しなくていい」という趣旨の
野次が自民党議員から出てきたことです。
「選択的夫婦別姓ヤジ、自民の杉田氏か 野党が確認求める」
(はてなブックマーク)
「夫婦別姓に「それなら結婚しなくていい」 国会でヤジ」
(はてなブックマーク)
「夫婦別姓ヤジ、杉田議員は取材拒否 自民は特定に応ぜず」
(はてなブックマーク)
夫婦同姓を強制する現行民法のもとでは、
結婚改姓したくないので結婚できない人もいる、
というお話をしているとき、
問題の「それなら結婚しなければいい」
という野次が出てきました。
玉木氏は質問で、若い男性から「交際女性から
『姓を変えないといけないから結婚できない』と言われた」と
相談されたことを紹介したうえで、
「夫婦同姓も結婚の障害になっている」と指摘した。
この際、ヤジが飛んだという。
玉木雄一郎は野次を引用して少子化対策のために
結婚数、結婚率を高める必要があるし、
そのために選択的夫婦別姓を導入する必要がある、
という趣旨の発言を続けました。
玉木氏はすぐに「今、ヤジで『だったら結婚しなくていい』
とあった」と取り上げ、「結婚数や結婚率を上げていくことが、
国難突破の少子化対策になるんじゃないか」と訴えた。
2017年の衆院解散の際、安倍晋三首相は、
少子高齢化を「国難」の一つと位置づけ、
自ら「国難突破解散」と名付けた。
その言葉を引きつつ、選択的夫婦別姓導入に
消極的な自民の姿勢を皮肉った。
少子高齢化対策には、ありとあらゆる
関係する政策を導入する必要があるでしょう。
選択的夫婦別姓を導入するなんて、
すぐにでも実現させて当然の
「入り口」程度のことだと言えます。
http://nohiguchi.jugem.jp/?eid=1808
少子化対策は、「ありとあらゆること」をしなければ
だめだと思っています。夫婦別姓はその「あ」程度です。
出生率を上昇させたフランスでも、
さまざまな家族のありかたに対応できるよう、
法的環境の整備を進めてきました。
「フランスの家族政策」
「フランスの家族政策には三つの柱がある。
一つは法的環境の整備。事実婚や婚外子の容認、異性同性のカップルに
結婚と同等の権利を与える「連帯市民協約(PACS)」の法制化、
同性婚解禁と、時代とともに進化している。
日本は出生率の低下が続いていますが、
配偶者のいるかたにかぎると
近年も出生率は上昇傾向にあります。
「有配偶者女性ベースの出生率」
https://twitter.com/tmaita77/status/486655798076903424
これは日本では結婚していないと、
子どもを持つことが制度的にも
社会通念的にも不利が大きいからです。
それゆえ近年の出生率の低下の原因は、
未婚率の上昇が直結していると考えられます。
日本で事実婚を選ぶかたで
もっとも多い理由は「夫婦別姓のため」です。
選択的夫婦別姓が実現したら、こうしたかたたちは
婚姻届けを出す可能性が高いでしょう。
選択的夫婦別姓を実現して、
法律婚の障壁を低くすることで、
未婚率を下げることが期待できます。
程度はわからないですが、それによって
出生率の上昇も期待できることになります。
少子高齢化が深刻なら、婚姻数、婚姻率を
上昇させる必要があるということです。
「結婚しないでいい」はまったくの逆行で、
少子高齢化を促進することになります。
「結婚しないでいい」という問題の野次は
自民党・安倍政権が少子化を「国難」として、
その解決を掲げていることにも逆行します。
野次を意識しつつ、自民党・安倍政権の公約と
矛盾するという事実を指摘したわけで、
玉木雄一郎は機転を利かせたということです。
選択的夫婦別姓さえ認められないのは、
自民党が人口政策の解決ができない
ゆえんにして象徴だと思います。
玉木氏は記者団に「自民に任せていたから、
少子化が止まらなかったんだと改めて思った」とヤジを批判。
このような自民党の因襲・反動的な
家族・ジェンダー観は、選択的夫婦別姓以外の
効果的な家族政策もほとんど
導入できないことになります。
それは2015年以降、出生率の低下が続き、
2019年は出生数が21世紀最低になるという
「成果」に現れることになります。
「出生数の減少が予測より早まる」