2020年01月30日

toujyouka016.jpg 選択的夫婦別姓・増えていく賛成

1月29日エントリの続き。

朝日新聞が1月25-26日に行なった、
選択的夫婦別姓についての世論調査です。

「選択的夫婦別姓、賛成69% 50代以下の女性は8割超」
(はてなブックマーク)
「選択的夫婦別姓 賛成69% 本社世論調査 反対24% 大きく上回る」(全文)

「世論調査―質問と回答〈1月25,26日実施〉」

この記事では過去の世論調査の賛否の
割合についての推移も示されています。

 
25、26日に朝日新聞社が実施した
全国世論調査(電話)で、選択的夫婦別姓について尋ねると、
69%が「賛成」と答え、「反対」24%を大きく上回った。




調査方法が異なるので単純な比較は
できないですが、今回の世論調査の結果の
「賛成」69%は、いままでとくらべて圧倒的に
賛成が増えていることがわかります。

杉田水脈によると思われる野次によって、
選択的夫婦別姓に関する適切な情報が
世論のあいだに浸透したこと、
そして野次の内容自体に対する批判が
強かったことの効果と考えられます。


図が作られている4回の世論調査は
いずれも選択的夫婦別姓に
「賛成」が「反対」を上回っています。
それでも2015年と2016年は
賛成と反対がほぼ同程度に近いです。

2015年12月は、夫婦別姓訴訟の
最高裁大法廷回付のときで選択的夫婦別姓に
対する関心が高まっていました。
それでようやく賛成と反対が
並ぶくらいだったということです。


2016年3-4月は2015年12月から
賛成がわずかに後退して、反対が増えています。
調査方法が異なるので、この変動は誤差範囲内と
考えてよいかもしれないです。

このあいだの選択的夫婦別姓に関する
目立つ話題は、2016年3月に
女子差別撤廃委員会による日本審査が
行なわれたことがあります。

「CEDAW日本審査・民法改正」


2017年3-4月は賛成が58%、反対が37%で
賛成が反対を大きく上回ることになります。
この賛成の増加は有意と考えられるでしょう。
2016年の調査とは方法が同じなので、
直接的な比較ができると思います。

このあいだの選択的夫婦別姓の話題は、
旧姓使用に関する訴訟がありました。
2016年10月に一審で原告敗訴、
2017年3月に二審で和解で終わっています。

「旧姓使用の訴訟・原告棄却」
「旧姓使用裁判・二審で和解」

これはそれほど目立つ話題ではないと思います。
選択的夫婦別姓の推進派のかたたちが、
1年のあいだに世論からの理解を
得るために活動してきたことが、
やはり大きいと考えられます。


今回の2020年の世論調査では、
賛成が69%と7割に迫り、2017年の調査から
さらに賛成の割合が高くなります。
調査方法が異なりますが、
これくらい差があれば、賛成の増加は
有意な変化と考えられるでしょう。

2020年の調査における賛成の増加は、
直接的には、最初に言及した杉田水脈による
「結婚しなくていい」の野次だと思います。

2017年以降も、選択的夫婦別姓の
推進派のかたがたが、地道な活動を
続けたことで、世論への理解が
さらに浸透したことが大きいと思います。
現在審理中の2018年からの
4件の夫婦別姓訴訟はとくに大きいです。

「選択的夫婦別姓・もう一度法廷へ」


posted by たんぽぽ at 23:12 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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