旧姓だとわからないので、旧姓であることを
しめす文言をパスポートに書き加える方針を、
茂木敏充外相が明らかにしました。
「パスポートの旧姓表記、トラブルの元? 外相「改める」」
(はてなブックマーク)
朝日新聞の記事を全文引用します。
茂木敏充外相は4日の衆院予算委員会で、
パスポートに旧姓を併記する場合に、
丸かっこで旧姓が囲まれている現在の表記を改め、
旧姓だと分かる文言を書きくわえる方針を明らかにした。
立憲民主党の大河原雅子氏の質問への答弁。
パスポートへの別名併記は、
二重国籍や国際結婚のほか、海外での仕事で
旧姓を使う場合などに例外的に認められている。
外務省によると、かっこ書きによる
別名併記は日本独自の仕組み。
ただ、旧姓の併記を説明する文言がないため、
外国に入国する際に説明を求められたり、
トラブルになったりするケースもある。
背景には日本のパスポートが戸籍上の氏名を
表記することになっていることや、
世界では珍しい夫婦同姓が法律で
義務づけられていることがある。
茂木氏は、丸かっこで囲まれただけの
現在の表記を「見ただけでは旧姓だと
分からない」とし、「maiden name(旧姓)
などと書くことではっきりと分かるような
形を取っていきたい」と説明。
その後の会見で今年後半以降に実施したい意向を示した。
同省は旧姓以外の別名併記についても
何らかの分かりやすい表記を検討している。
一方、旧姓併記の場合は旧姓で発表した
海外の論文や、旧姓で仕事をしていることを
示す証明書などの書面が必要だ。
茂木氏は「戸籍謄本などの確認のみで旧姓使用が
可能になるように検討中」とも述べた。(楢崎貴司)
諸外国は結婚改姓するかたが多い国でも、
選択的夫婦別姓が認められています。
また夫婦別姓が原則で結婚改姓という
概念がない国もたくさんあります。
それゆえ諸外国では旧姓を併記する、
という習慣がないのが通常です。
かっこで旧姓を併記というのは、
おそらくほぼ日本でしかなされないと思います。
かっこ書きで書かれた旧姓が、
外国ではなんのことなのかわかって
もらえないことも多いことになります。
そこまで日本の事情に詳しい人は、
世界にはそんなにいないからです。
そのため外国へ入国する際に、
かっこ書きの名前について説明を求められたり
トラブルになるケースもあります。
そこでパスポートに旧姓だと示す
文言を加えることになったのでした。
かっこ書きの名前は旧姓だと示されれば、
外国への入国時の負担やトラブルは、
いくらか減るだろうとは思います。
それでもまだまだあるだろうと思います。
とくに夫婦別姓が原則の国では、
「結婚改姓」「旧姓」という概念から
理解してもらうのが一苦労だと思います。
かっこ書きでもうひとつ苗字があれば、
それは女性の旧姓だということは、
日本人ならすぐにわかることです。
旧姓併記のパスポートが他国へ行ったとき
理解されないのは、「日本の常識」が
「世界の非常識」であることが、
顕著に現れる事例だと思います。
「旧姓併記」なんて世界の人たちには
わからない、こんなことは以前から
指摘されていたことではあります。
衆院予算委員会で立憲民主党の大河原雅子が
質問したことで外相の答弁となり、
新聞記事になったということです。
「諸悪の根源」は日本ではいまだに
夫婦同姓が強制され、選択的夫婦別姓が
実現していないことです。
それゆえ本質的かつ簡単な解決は、
選択的夫婦別姓を導入することです。
夫婦別姓が選択できるようになれば、
「旧姓併記」という国際性のないことをする
必要もないことになります。
「選択的夫婦別姓が実現していない」
ということ自体が、2020年現在世界中で
ほぼ日本だけであり、「世界の非常識」と
なっているということです。
「夫婦別姓・世界各国の状況は?」