2020年02月11日

toujyouka016.jpg 女性候補者の割合・パリテ法施行の効果

2月10日エントリの続き。

諸外国はジェンダー格差を縮めるための
施策を行なってきたのですが、
日本はそれをほとんどしてこなかったのでした。
それが日本のジェンダーギャップ指数の
順位が大きく低下する原因となっています。

「男女平等、日本は過去最低 上野千鶴子氏に聞く」
「男女平等、日本は過去最低 上野千鶴子氏に聞く」(全文)

 
日本がジェンダー格差の解消するための
施策をほとんどしない理由として、
ジェンダー平等のための法律に拘束力が
ないことを、上野千鶴子氏は挙げています。

法的拘束力がない法律の例として、
選挙の候補者を男女同数にすることを定めた、
候補者男女均等法(パリテ法)をあげています。

−−女性活躍推進法などの法整備は進みました。
「罰則規定がないので実効性がありません。
例えば、候補者ができるかぎり男女同数に
なることを目指した候補者男女均等法。

法律が施行されて初めての国政選挙となった
19年7月の参院選はどうでしたか。
候補者の女性比率はわずか28%です。
自民党に至っては15%にとどまています。
結果、女性の当選者は28人で改選前後で変化がありません。
法律を作った効果はゼロと言えます。

「候補者の半数を女性にしない政党には
交付金を出さないなどの罰則規定が必要です。
女性活躍推進法では応募者と
採用者数の男女比も公表すべきです。
こんな骨抜きの法律に対してメディアも鈍感すぎます。
「他の国は強制力のあるクォータ制を
導入して社会を変えてきました。
過渡期に一時的にでも強制力のある制度を
作ることは大きな意味がありますが、
日本では『クォータ制は日本の風土に
合わない』と否定的です」


日本のパリテ法では候補者のジェンダー比が
偏らないよう、女性の候補者を3割以上に
することが定められています。

はじめてパリテ法が施行された、
2019年の参院選では、法律を守って女性候補者を
3割以上にしたのはすべて野党です。
与党の自民、公明の女性候補者の割合は
どちらも3割を大きく下回っています。

「自民・公明に女性候補者が少ない理由」


日本のパリテ法は努力目標を定めたもので、
女性候補者が3割に満たなかった場合の
罰則規定がなにもないです。
それゆえ女性候補者が3割以下の政党にも、
なにも問題が起きないことになります。


パリテ法が施行される前の
2017年の衆院選の女性候補者の割合は
どうだったかが気になるところです。
2019年の衆院選と比較することで、
パリテ法施行の効果がわかるからです。

「衆院選・女性当選者の割合」


立憲民主、共産、希望の党の野党3党は
女性候補者の割合が2割を超えています。
これらの野党はもともと女性候補者の
割合が高かったということです。
それでも3割を超えてはいませんでした。

2019年の参院選でこれらの野党は、
どれも女性候補者の割合が3割以上となります。
かなり余裕を持って3割を上回る
政党もあったので、パリテ法導入の意義は
野党に関してはあったと言えます。


公明党と自民党は2017年の衆院選でも
女性候補者の割合は10%に満たないです。
与党2党はパリテ法の導入前から、
女性候補者は少なかったということです。

2017年の衆院選と2019年の参院選とで
女性候補者の割合は、公明党はほとんどかわらずです。
自民党は2019年の参院選では10%を
超えているので、これがもうしわけ程度の
パリテ法の効果かもしれないです。


維新は2017年の衆院選では、女性候補者の
割合は7.7%で「女性候補者の少ない
政権与党」と同じ水準でした。
2019年の参院選では、維新の女性候補者の
割合は32%で、「パリテ法を守った野党」の
カテゴリに入ったことになります。

維新にかぎってはパリテ法を導入した意義は
大きかったことになりそうです。

posted by たんぽぽ at 23:14 | Comment(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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