選択的夫婦別姓の世論調査について、
くわしく解説した記事があります。
「夫婦別姓、安倍首相だけが孤立? 自民支持層が示した「意思表示」 世論調査から見える「伝統的家族」」
(はてなブックマーク)
朝日新聞の記事では詳しく出ていなかった、
ジェンダー別の賛否の割合や、
政権支持層、自民党支持層にかぎった
賛否の割合についても、示されています。
全体
2015年11月(電話調査)=賛成(52%)/反対(34%)
2015年12月(電話調査)=賛成(49%)/反対(40%)
2016年3-4月(郵送調査)=賛成(47%)/反対(46%)
2017年3-4月(郵送調査)=賛成(58%)/反対(37%)
2020年1月(電話調査)=賛成(69%)/反対(24%)
*2015年は固定電話、2020年は固定電話と携帯電話が対象
ジェンダー別
2015年11月=男性(賛成51%/反対35%)/女性(賛成53%/反対33%)
2015年12月=男性(賛成50%/反対42%)/女性(賛成49%/反対39%)
2016年3-4月=男性(賛成44%/反対48%)/女性(賛成49%/反対44%)
2017年3-4月=男性(賛成52%/反対42%)/女性(賛成63%/反対32%)
2020年1月=男性(賛成66%/反対27%)/女性(賛成71%/反対21%)
政権支持層、自民党支持層
2015年11月=内閣支持層(賛成50%/反対40%)/自民支持層(賛成45%/反対44%)
2015年12月=内閣支持層(賛成45%/反対49%)/自民支持層(賛成38%/反対54%)
2016年3-4月=内閣支持層(賛成41%/反対54%)/自民支持層(賛成38%/反対57%)
2017年3-4月=内閣支持層(賛成53%/反対43%)/自民支持層(賛成50%/反対46%)
2020年1月=内閣支持層(賛成67%/反対28%)/自民支持層(賛成63%/反対31%)
今回の2020年の世論調査では、
選択的夫婦別姓に賛成がそれ以前とくらべて
急激に増えたことが、あらためてわかります。
全体だけでなく、ジェンダー別に見ても、
政権支持層や自民党支持層にかぎっても、
2020年はそれ以前より格段に賛成が多いです。
1月30日エントリでもお話していますが、
3年前の2017年の世論調査から
選択的夫婦別姓に賛成が急に増えたのは、
ひとつは推進派のかたたちの
地道な活動があるだろうと思います。
2018年からの4件の夫婦別姓訴訟や、
自治体向けの「陳情アクション」は、
とくに選択的夫婦別姓に対する世論からの
理解を得る上で寄与が大きいと思います。
より直接な賛成が大幅に増えた理由として、
杉田水脈によると思われる
「結婚改姓が嫌なら結婚しなくていい」
という野次があるでしょう。
「結婚しなくていい」はそこらへんの
ネトウヨや選択的夫婦別姓の反対派が
あたりまえのように言っていることです。
その彼らにとっての「あたりまえ」は
世論のあいだではこれくらい反感を買う、
ということを示していると言えます。
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
「そんなやりかたでは理解を得られない」と、
推進派を非難することがよくあります。
本当に理解を得られなくて反発を
買っているのは、選択的夫婦別姓の反対派の
言動ではないかと、みずからを顧みる必要が
あるのではないかと思います。