ノートの女性から結婚改姓したくない気持ちを
聞いた婚約者の男性が最初に言ったことが、
いささか情けないとわたしは思います。
「嫌なら日本から出て行け」なんてそこらへんの
ネトウヨと同じことを言っているからです。
「夫婦別姓について、婚約者(男)へ真正面から切り出してみた。」
日本の制度が気に入らないなら、海外に行くべきなんだよ。
このような「排除」が思想として
不健全であることは、言うまでもないでしょう。
人はだれしも思想信条の自由と居住の自由があります。
結婚制度が自分に受け付けないという理由で、
居住の自由を制限されるいわれはないです。
とくに女性は、日本で暮らしていても、
日本の結婚制度にかならずしも
順応できないことがたくさんあります。
現行の結婚制度にあうように暮らせ
というのは、制度のために人間がいる
という、本末転倒な考えにもなります。
このあたりは、すでにお話していることです。
「被抑圧者は制度に順応できない」
「制度では楽で安全に生きられない」
日本から出て行かなくても、
日本国籍を持ち日本に在住したままでも、
外国の婚姻制度を利用して
結婚することはできます。
諸外国のほとんどは婚姻届けを出すと、
「結婚証明書」を発行します。
これは婚姻する人の国籍に関係なく発行されます。
外国へ行く必要があるのは、
婚姻届けを出すときだけということです。
「外国で婚姻届けを出す」
世界のほとんどの国では選択的夫婦別姓が
認められているので、そうした国で
婚姻届けを出せば、日本人どうしの結婚でも
夫婦別姓が選択できることになります。
映画作家の想田和弘氏は、夫婦別姓を
選択するために外国(アメリカ合衆国)で
婚姻届けを出して、外国で法律婚になっています。
「もうひとつの夫婦別姓訴訟」
この法律婚は夫婦別姓のままだと、
日本の法律婚に振り替えられないので、
現在国を相手に提訴しているところです。