2020年03月23日

toujyouka016.jpg 夫婦別姓で失なわれる「家庭のよさ」?

3月22日エントリの続き。

3月18日の愛媛新聞に「夫婦別姓で犯罪が
増える」発言に対する森高康行・愛媛県議の
釈明が載せられています。

「森高氏(自民)発言に波紋 安易な選択的夫婦別姓、犯罪増えないか心配」

 




森高氏は17日、愛媛新聞の取材に
「誤解を受けるような言葉だったかもしれないが、
家庭の良さが失われてきていることを
一番言いたかった」と釈明。
制度導入で安易な結婚や離婚が増えるのを
危惧した上での発言だったと趣旨を説明した。

森高康行によると「家庭のよさが
失なわれていることを言いたかった」そうです。
「家庭のよさ」と「夫婦別姓だと
犯罪が増える」という事実無根の主張と、
どう関係があるのかと思います。

それとも選択的夫婦別姓を導入すると
「家庭のよさ」が失なわれるのでしょうか?
たいていのかたは関係がわからなくて、
ますます意味不明かもしれないです。


森高康行も例によって、戦後民法で規定され
戦後の企業利益のために作られた
「家族イデオロギー」が「信仰」のように
なっているのだと思います。

「家族思想という信仰」

この家族イデオロギーを信奉している人は、
このイデオロギーにもとづいた
家族のありかたを「あるべき」と考えます。
この「あるべき家族」だけが望ましく、
国民全員が「あるべき家族」を持つことで、
社会が安定すると考えます。

戦後民法では夫婦同姓が強制され、
夫婦別姓は戦後民法で規定されないです。
それゆえ夫婦別姓は「あるべき家族」から
はずれた「異教徒」というのが、
この家族イデオロギーの信奉者の認識です。


森高康行が「家庭のよさ」と表現するものは、
かかる家族イデオロギーにもとづく
「あるべき家族」のことだと思います。

自分が信奉する「あるべき家族」だけが
望ましいと考えるので、「あるべき家族」が
維持されることを「家庭のよさ」と
表現するということでしょう。

夫婦別姓のような「異教徒」の
家族が増えると、森高康行にとっては
「家庭のよさが失なわれる」のでしょう。


かかる家族イデオロギーの信奉者にとって
「異教徒」は問題を起こす可能性の
高い家族ということになっています。
そんな「異教徒」の家族が社会の中に増えると
社会が不安定になると考えます。

それゆえ夫婦別姓も「異教徒」の
家族だからきっと問題を起こすし、
数が増えれば社会が不安定になると、
この家族イデオロギーの信奉者は
考えるということです。

「夫婦別姓だと犯罪が増える」という
問題の発言も「異教徒だから悪にちがいない」
という、家族イデオロギー信仰からの
発想ということだと思います。


日本で因習・反動的な家族のありかたを
主張する人は、たいていこのような
家族イデオロギーの信奉者です。

彼らはしばしば自分たちの標榜する
家族観を「伝統的家族」と表現します。
その「伝統」の実態は、企業利益のために
戦後に作り出された家族イデオロギーです。

posted by たんぽぽ at 22:23 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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