3月17日の毎日新聞の記事で触れられている、
自民党・愛媛県議の森高康行による
「夫婦別姓で犯罪が増える」発言に対する
共産党の宮本徹衆院議員のツイートです。
「夫婦別姓で「犯罪増える」 愛媛県議発言、議会は問題にせず 批判相次ぐ」
ツイッターでは、県議の発言を報じた毎日新聞の記事を引用し、
森高氏や県議会への批判が多数投稿された。
「どういう思考をすればそんな結論になるのか」と
批判した共産党の宮本徹衆院議員のツイートは
1万5000件以上、「いいね」や「リツイート」された。
どういう思考をすればそんな結論になるのか。 https://t.co/cVf5wuoxi3
— 宮本徹 (@miyamototooru) March 16, 2020
「選択的夫婦別姓を導入すると
犯罪が増える」というのは、宮本徹議員も
まったく理解不能の発想のようです。
この発想について、わたしなりに
考えられる理由をお話します。
「きっとこうだろう」ということで、
はっきりと断定はできないですが。
(選択的夫婦別姓の反対派が考えることは、
わからないことが多いです。)
ひとつは戦後日本の家族イデオロギーが、
信仰のようになっているということです。
3月23日エントリでお話したことです。
「夫婦別姓で失なわれる「家庭のよさ」?」
このイデオロギーを信奉する人は、
夫婦別姓のようなイデオロギーに
したがわない「異教徒」の家族は、
問題を起こすにちがいないと考えます。
それゆえ「異教徒」の家族を法制化することで、
犯罪もきっと増えると考えるのでしょう。
ほかに考えられることとして、
森高康行のような選択的夫婦別姓の
反対派は「夫婦同姓=ふつう、多数」と
考えていることがあると思います。
夫婦別姓は「ふつう」と違って
「少数」なので、なにかよこしまな目的があって
そうしているのではないかと根拠のない
「邪推」をするのではないか、ということです。
他人を騙そうとかよこしまな目的がある人は、
むしろ夫婦同姓を選択すると思います。
社会の偏見に便乗したほうが、
まわりからの信用を得やすいからです。
「ふつう」と違って「少数」の選択をする時点で、
よこしまなことはかえってやりにくくなるのですが、
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
そうは考えない人が多いようです。
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は
「夫婦は同姓になる」という考えに
慣れきっていて、「苗字が同じなら
夫婦だと判断しやすい」とも考えます。
それゆえ「夫婦で苗字が異なると
夫婦だと判断しにくい、他人と区別が
つかない」と考えることになります。
そこから「赤の他人が夫婦を装って、
詐欺や不正がやりやすくなる」とでも
考えるのではないかと想像します。
夫婦別姓というのは結婚しても
苗字が変わらないということです。
それゆえ結婚の前と後とで同一人物だと
はっきりするので、詐欺や不正は
むしろやりにくくなります。
夫婦同姓の強制によって結婚改姓すると
苗字がかわって婚前と同一人物だと
わかりにくくなるので、詐欺や不正はやりやすいし、
実際に悪用されることがあります。
3月20日エントリでお話しています。
「選択的夫婦別姓で犯罪は増えない」
こちらにコメントありがとうございます。
>離婚は悪いことではないけど、本人の気持ちもありますし
離婚は楽しいことではないし、
他人から詮索されたくないことも多いですからね。
苗字で離婚がわかるような事態は
避けたいと考えるのも、もっともなことです。
>選択的夫婦別姓なら、考えなくてもいい苦労もないのに、
>ということは多いと思います
まったくです。
選択的夫婦別姓の導入こそ、
現在ある苗字に関する苦労の
かなりのことを解決すると思います。
>同姓の連帯感があれば犯罪を行いにくいと
>思っているのでしょうか、いえいえ、そんなことは
>関係ないのは事件が証明しています
「夫婦別姓だと犯罪が増える」ことの
反例はいくらでもあるし、
簡単に反証できることだと思います。
選択的夫婦別姓の反対派は、
なにを見ているのかと思うところです。
>日本はまた、ジェンダー観、女性差別が根強いから、
>選択的夫婦別姓があれば、女性の自立、価値観が
>変わっていく可能性は高いと思います
選択的夫婦別姓を導入することは、
日本社会のジェンダー意識を変えることに
寄与するかもしれないですね。
反対派はそのようなジェンダー平等の意識が
広まるのが嫌なのでしょうけれど。
>夫婦別姓は犯罪が増えるとかいう発想は、
>風俗があれば性被害が減るとかいう
>根拠のない神話に似たものを
根拠がないのに広く信じられている
という観点では、「神話」になりますね。
選択的夫婦別姓の反対派の主張は、
ほとんど全部「神話」になりそうです。