「夫婦別姓だと犯罪が増える」なら、
すでに夫婦別姓が選択できる国では、
犯罪の発生率、発生件数が高いはずです。
カナダの各州の刑法犯の発生率の
統計を見てみることにします。
(「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の
事務局長のかたが調べてくださったものです。)
「犯罪発生状況(在モントリオール日本国総領事館管轄州)2017年統計」
例えば1981年から結婚改姓を禁じ、100%夫婦別姓のケベック州と、夫婦同姓・別姓が選択できる他州が共存するカナダ。
— nana/井田奈穂/選択的夫婦別姓・全国陳情アクション (@nana77rey1) March 16, 2020
2017年犯罪発生率を比較すると、人口10万人あたり殺人発生率は、ケベック州1.1、カナダ全体1.8。
完全別姓のケベック州の方が低い。
ちなみにアメリカは5.4。https://t.co/ubualtNkQL
ケベックがカナダの中では、
もっとも犯罪発生率が低くなっています。
もっと一般的には大西洋側の州は、
犯罪発生率が低い傾向があります。
カナダはケベックだけかならず夫婦別姓です。
それ以外の州は選択的夫婦別姓です。
夫婦別姓の州ケベックで
犯罪発生率が最低ということです。
それゆえ選択的夫婦別姓の反対派が
考えるように「夫婦別姓だと犯罪が増える」
ことはないことが示されます。
このような犯罪統計は、異なる国どうしでの
直接比較は一般的にはできないです。
国によって法律が違っていたり、
警察や司法の姿勢に差異があるからです。
この統計は、すべてカナダという同じ国の州です。
よって州法の差はあると思いますが、
それでも同じ国ゆえ法律や、警察、司法の
姿勢の差は少ないと考えられるので、
直接比較ができることになります。
次に殺人事件の人口発生率を見てみます。
こちらはカナダ全体と、ケベック、
モントリオール、そしてアメリカ合衆国と
日本が比較されています。
殺人はどこの国でも死体が見つかると立件します。
世界各国のほぼすべてが同じ基準で
立件するとみなせるので、殺人にかぎり
直接国際比較することができます。
殺人の発生割合はカナダ全体は1.8ですが、
ケベック、モントリオールにかぎると
それぞれ1.1となっています。
夫婦別姓の州のケベックと
その州都のモントリオールは、
夫婦同姓が選択できるほかの州よりも
殺人の発生率が低いということです。
ここでも「夫婦別姓だと犯罪が増える」
という事実がないことが示されます。